「入谷葉子ー追憶ハネムーン」 LIXILギャラリー

LIXILギャラリー
「入谷葉子ー追憶ハネムーン」
10/31-11/26



LIXILギャラリーで開催中の入谷葉子個展、追憶ハネムーンを見てきました。

どこかノスタルジックな着物や日本家屋が目の覚めるほどヴィヴィッドな色で描かれている。



まず会場に足を踏み入れて際立つのは色の強さです。明るい赤や水色にピンク。そしてそれらがコラージュのように合わせ重なり、モチーフを象っていく。色面と色面のせめぎあい。言わば塗り絵です。輪郭線もありません。

作家、入谷葉子は1977年に大阪で生まれ、2001年に大阪芸術大学芸術学部の美術学科を修了。その後、関西を初めとするギャラリーで個展やグループ展を行ってきました。


「シャングリラ」2010年

このポップで鮮やかな色彩感覚。しかしながら描かれているのは何気ない日本の風景です。古びた木造家屋にどこか懐かしいキッチン、また着物から墓地まで。そしてそれらは時に実際の色から大きくかけ離れた色をしてます。本来ならモノトーンの墓地もご覧の通り。墓石がオレンジやピンク色に輝いているではありませんか。



一枚の女性の肖像に目が止まりました。実は本展、作家の祖母をモチーフとしたもの。家も祖母が住んでいた家。また道具も祖母の嫁入り道具だとか。だからこそタイトルにもあるように「追憶のハネムーン」。昭和や大正時代の記憶を写真から呼び起こしています。

この色とモチーフの曖昧な関係。色彩は作家の自由なイメージによるものだそうです。トロピカルな色が織りなす日本の風景。色とモチーフのどことない違和感がまた新鮮でした。

さて最後に重要なポイントを。この色、一体何で表されているのか分かるでしょうか。油彩かアクリルか。私も遠目で見た際はてっきり絵具が用いられていると思いました。


「お台所」2010年

実はこれ、全て色鉛筆なのです。確かに作品に近づいて目を凝らすと色鉛筆の筆致が。一本一本、丁寧にかつ力強く塗りこめられていることがわかります。



色鉛筆から引き出された家族の記憶。2014年にはVOCA展にも出品があるそうです。そちらにも期待しましょう。



11月26日まで開催されています。

「入谷葉子ー追憶ハネムーン」 LIXILギャラリー
会期:10月31日(木)~11月26日(火)
休廊:毎週水曜日。11/24(日)のみ臨時休館。
時間:10:00~18:00
住所:中央区京橋3-6-18 LIXIL:GINZA2階
交通:東京メトロ銀座線京橋駅より徒歩1分、東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅7番出口より徒歩3分、都営浅草線宝町駅より徒歩3分、JR線有楽町駅より徒歩7分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「楽園創造(... 「五線譜に描... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。