都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「タノタイガ個展 - T+ANONYMOUS - 」 現代美術制作所
現代美術制作所(墨田区墨田1-15-3)
「タノタイガ個展 - T+ANONYMOUS - 」
3/7-29
作家自らのパフォーマンスを通して、『社会の様々なシステムやルール』(画廊HPより一部引用。)を問い直します。現代美術製作所で開催中のタノタイガのインスタレーション個展を見てきました。
ともかく楽しめるのは、かのヴィトンを素材とした彫刻、及びパフォーマンス映像作品です。お馴染みのモノグラムのバックを模した木彫が、全体としては精巧ながらもどこかフェイクと分かるように作られ、それがショップを再現するかのように置かれています。ちなみに『木彫ヴィトン』の側に並べられたプライスリストにも要注目です。そこには作品のモデルとなった実際の商品の値段が記されていますが、それがそのまま作品名にもなっています。このユーモアにも思わずニヤリとさせられてしまいました。
映像では、タノタイガが木彫ヴィトンを持ってパリのヴィトン本店へと行き、また税関を通過して日本へ帰って来るという仰天の様子が紹介されています。シャンゼリゼ通りを軽やかに歩く本人の肩からは木彫のモノグラムがぶら下がり、本店へ侵入すると、時折店員の視線が集中するものの、意外にも違和感なく周囲と溶け込んで『一般客』に成り済ましていました。税関はほぼ素通りです。フェイクは偽造品を通り越し、タノタイガの作品へと化した瞬間が記録されていました。アートとは、そしてブランドとは何かを問う、タノタイガの体を張った行為は彼の勝利に終わったようです。
その他では、青いビニールシートやロープで作った服を『サバイバルスーツ』と名付け、街中はおろか、官邸の前を歩くパフォーマンス、また「15mmポートレート」と題された本人扮する娼婦のポートレート写真なども紹介されていました。
明日、28日には、作家本人も来場するワークショップが企画されています。興味のある方は覗かれては如何でしょうか。
(目印は「美」のマークです。)
明後日の日曜日までの開催です。なおお出かけの際は必ず地図をお持ち下さい。駅からは至近ですが、現地周辺は完全に『迷路』です。
「タノタイガ個展 - T+ANONYMOUS - 」
3/7-29
作家自らのパフォーマンスを通して、『社会の様々なシステムやルール』(画廊HPより一部引用。)を問い直します。現代美術製作所で開催中のタノタイガのインスタレーション個展を見てきました。
ともかく楽しめるのは、かのヴィトンを素材とした彫刻、及びパフォーマンス映像作品です。お馴染みのモノグラムのバックを模した木彫が、全体としては精巧ながらもどこかフェイクと分かるように作られ、それがショップを再現するかのように置かれています。ちなみに『木彫ヴィトン』の側に並べられたプライスリストにも要注目です。そこには作品のモデルとなった実際の商品の値段が記されていますが、それがそのまま作品名にもなっています。このユーモアにも思わずニヤリとさせられてしまいました。
映像では、タノタイガが木彫ヴィトンを持ってパリのヴィトン本店へと行き、また税関を通過して日本へ帰って来るという仰天の様子が紹介されています。シャンゼリゼ通りを軽やかに歩く本人の肩からは木彫のモノグラムがぶら下がり、本店へ侵入すると、時折店員の視線が集中するものの、意外にも違和感なく周囲と溶け込んで『一般客』に成り済ましていました。税関はほぼ素通りです。フェイクは偽造品を通り越し、タノタイガの作品へと化した瞬間が記録されていました。アートとは、そしてブランドとは何かを問う、タノタイガの体を張った行為は彼の勝利に終わったようです。
その他では、青いビニールシートやロープで作った服を『サバイバルスーツ』と名付け、街中はおろか、官邸の前を歩くパフォーマンス、また「15mmポートレート」と題された本人扮する娼婦のポートレート写真なども紹介されていました。
明日、28日には、作家本人も来場するワークショップが企画されています。興味のある方は覗かれては如何でしょうか。
(目印は「美」のマークです。)
明後日の日曜日までの開催です。なおお出かけの際は必ず地図をお持ち下さい。駅からは至近ですが、現地周辺は完全に『迷路』です。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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現代アートはわたしには殆どカイメツ地帯なのですが、挙げられた画像を見て、あるコミックを思い出しました。死んだ人の数だけ壁面に顔が浮かぶというものです。
むろんそれとは無関係なのでしょうが。
それにしても税関を撮影することが出来た、と言うこと自体にも感心しました。
舞踏家・土方巽は舞踏の定義を
「舞踏とはイノチガケで突っ立った死体である」
そう言葉にしていましたが、その定義に通じるものを「インスタレーション」に感じたりしました。
>死んだ人の数だけ壁面に顔が浮かぶ
怖いですね。ちなみに最後のワークショップはそのお面の制作なのだそうです。500円の制作料で自分の作ったものも持ち帰り可能だとか…。とは言えそれを部屋に飾ってもちょっと不気味です…。
>税関を撮影することが出来た
もちろんヴィトンも税関も隠し撮りです。ひやひやものでした。
>舞踏とはイノチガケで突っ立った死体である
素晴らしい言葉をありがとうございます。
タノタイガはそういう部分があるかもしれませんね。下手すれば牢屋行きですから…。
こちらのエントリーを拝見して、
面白そうだ! と、早速、土曜日いってきました。
ワークショップはあまり興味なかったのですが、
会場で、製作所の方に親切に誘ってもらって、
参加してきました。(色つけたお面は置いてきましたけど!)
社会に対するまなざしが、とても鋭いというか、
すべての作品に一貫した世界観が見て取れて、
とても興味深かったです。
お蔭様で、とても面白いものを見ることができました!
ありがとうございます!
展示室に入った瞬間、女装のタノタイガの大きなポートレートが目に入ってギョッとしてしまいますが、奥のヴィトンでもう一気に世界へと引き込まれますよね。おいおいと突っ込みを入れたくなるような展開で笑ってしまいました。
>社会に対するまなざしが、とても鋭い
同感です。
ヴィトンはオークションにも出して物議を醸し出したこともあったそうですね。(一時は本物より値がつきながらも、出品を削除されてしまったとか…。)
体をはったアート、是非是非これからも追っかけたいです!