『インターフェアレンス展』 メゾンエルメス フォーラム

メゾンエルメス フォーラム
『インターフェアレンス展』 
2023/2/23~6/4



光や振動、波動といった身体に介入するゆらぎの感覚を通して、知覚の探究を試みるアーティストによる展覧会が、東京・銀座のメゾンエルメス フォーラムにて開かれています。

それが『インターフェアレンス(Interference)』で、会場ではフランシス真悟、スザンナ・フリッチャー、ブルーノ・ボテラ、宮永愛子の4名のアーティストが作品を公開していました。



『インターフェアレンス(Interference)』とは、参加アーティストのひとりであるフランシス真悟の光干渉顔料を用いたシリーズのタイトルに基づいていて、非常に薄い塗料が光の干渉によってさまざまな色の反応を示していました。



とりわけ大型の壁画である『Liminal Shifts』は、ガラスブロックより差し込む光を受け、仄かなピンク色とから虹色、さらに時折金色を思わせるような色を放っていて、実に繊細な表情を見せていました。また外の天候、また時間帯によって作品の景色も異なってくるのかもしれません。

メゾンエルメスの建物を身体のメタファーとし、ギャラリーの隠れた空間を用いたというブルーノ・ボテラの作品が異彩を放っていたのではないでしょうか。



ギャラリーの裏側に展示された『寄宿』とは、機械式のベッドや粘土による手を象ったオブジェなどによるもので、どことなく有機的でかつ不穏な雰囲気を醸し出していました。これはボテラが実際にベットにて寝て、空いた二つの穴より突き出た手の無意識の運動を捉えていて、いわば眠っている手を造形化した作品でした。

今回のグループ展で最も大掛かりな展示を手がけていたのは、ウィーン出身のスザンナ・フリッチャーの『Pulse』と題したインスタレーションでした。



これはガラスブロックに呼応したグリット上に張り巡らされた糸が、空間の中に潜む振動を空気に伝達させながら半透明の雨のように空間を満たす作品で、シリコンでできた糸がモーターによる動きを伴いつつ、ひたすら揺らめいていました。



また『Pulse』へは実際に立ち入ることも可能で、震える糸より空間を揺らぐ振動を感じ取ることもできました。さらにモーターやディスクから伝わる音響も糸の揺れと連動しているように思えました。



大掛かりながらも極めて繊細な『Pulse』の世界をスマートフォンのカメラで捉えるのは難しいかもしれません。実際に身を置くことで感じられる空間の揺らぎをしばし体感しました。



6月4日まで開催されています。

『インターフェアレンス展 フランシス真悟、スザンナ・フリッチャー、ブルーノ・ボテラ、宮永愛子』 メゾンエルメス フォーラム
会期:2023年2月23日(木・祝)~6月4日(日)
休廊:3月15日(木)
時間:11:00~19:00 
 *最終入場は閉館の30分前まで。
料金:無料
住所:中央区銀座5-4-1 銀座メゾンエルメス8階フォーラム
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅B7出口すぐ。JR線有楽町駅徒歩5分。
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