「玉川堂200年展」 ポーラミュージアムアネックス

ポーラミュージアムアネックス
「玉川堂200年展~打つ。時を打つ。」 
6/4~6/19



ポーラミュージアムアネックスで開催中の「玉川堂200年展~打つ。時を打つ。」を見てきました。

新潟県の燕市で200年前から銅器を制作する玉川堂。銅版を金槌で鍛え上げて成形する「鎚起銅器」(ついきどうき)の技術を、国内で唯一、継承しているそうです。


「玉川堂200年展」会場風景

作品はもとより、展示自体が美しいのには感心しました。場内は暗室。中央に大きな黒いテーブルが置かれています。そこに並ぶのが銅器です。全部で25点超。照明も効果的です。いずれも光り輝いていました。


玉川宣夫「木目金皿」 昭和50年代

テーブルの上に薄い液体が注がれていることに気づきました。水ではなくオイルです。やや粘り気を帯びているようにも見えます。微かに揺らいでいました。オイルの面が銅器を鮮やかに反射させています。


玉川覚平「花瓶 花鳥金銀象嵌一対」 明治20年代

銅器は何も近年の作品ばかりではありません。200年の名が記すように、最古は江戸後期にまで遡ります。初代玉川覚兵衛の「鍔薬罐」です。いわば創始者。仙台の職人より技術を受け継ぎ、銅器の製造を始めました。さらに二代覚次郎、三代覚平と続きます。ちなみに覚次郎は1873年、ウィーン万国博覧会にも出品。その後も海外へ数多くの作品を送り出しました。


玉川覚平「飾香炉」 明治20年代

三代覚平の「飾香炉」はどうでしょうか。モチーフは烏鷺。金の象嵌です。覚平もコロンビア博覧会や日英博覧会などの海外へ出品。銀賞の栄誉を受けました。また1894年には明治天皇の御成婚25周年に際し、作品を献上します。以来、いわゆる皇室御用達として慶事に作品の献上が行われるようになったそうです。

現在は七代目です。玉川基行氏。1970年から玉川堂の当主を務めています。


玉川基行「ボトルクーラー KRUG」 平成23年

それにしてもさすがに当代、実にスタイリッシュです。作品はボトルクーラー。まるで花器のようです。


玉川基行「マツダ×玉川堂 魂銅器」 平成27年

さらに「魂銅器」は昨年の最新作。マツダとのコラボレーションだそうです。

会期中の土日は様々なイベントも行われています。最終週の土曜には小皿の製作体験もあるそうです。(有料)


「玉川堂200年展」販売コーナー

一部作品は販売されてもいます。古くも新しい鎚起銅器の世界。コンパクトな展示ですが、なかなか興味深いものがありました。

6月19日まで開催されています。

「玉川堂200年展~打つ。時を打つ。」 ポーラミュージアムアネックス@POLA_ANNEX
会期:6月4日(土)~6月19日(日)
休館:会期中無休
時間:11:00~20:00 *入場は閉館の30分前まで
料金:無料
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「国吉康雄展... 「摘水軒記念... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。