都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「押江千衣子展」 西村画廊
西村画廊(中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル3階)
「押江千衣子展」
5/13-6/14

アーティクル最新刊の巻頭特集も飾っています。瑞々しい色彩感で草花や森の光景を抽象的に描く、押江千衣子の個展へ行ってきました。
例の回顧展の記憶も鮮やかなこともありますが、かの東山魁夷の風景画を現代アートへ置き換えるとこのような作品になるのかもしれません。靡く雲を従えて、大空に広がる山々を鳥瞰的に捉えた「山のあなた」(2007)は、目に染みいるような緑の美しい静謐な風景画です。それに身近な木々の枝葉や果実を手元に寄せて描いた「みのり」(2007)なども、まさに森の恵みを浴びているかのような、実に穏やかな気持ちにさせられる作品でした。また、油彩よりもパステルの質感が強く、沈み込むような色彩感も優し気にうつります。大らかな絵画です。
若干の既視感を覚える作品も少なくありませんが、おそらく押江の最大の魅力は、線と面が図形を描くようにして交互に重なり合う、その抽象的な構図感にあるのではないでしょうか。深い森の姿を眺めた「森のなかで」(2008)では、木々や葉が真っ直ぐに引かれた線や円などの形に還元されています。具象と抽象のぶれが、見る者に様々なイメージを与えていきそうです。
6月14日までの開催です。
「押江千衣子展」
5/13-6/14

アーティクル最新刊の巻頭特集も飾っています。瑞々しい色彩感で草花や森の光景を抽象的に描く、押江千衣子の個展へ行ってきました。
例の回顧展の記憶も鮮やかなこともありますが、かの東山魁夷の風景画を現代アートへ置き換えるとこのような作品になるのかもしれません。靡く雲を従えて、大空に広がる山々を鳥瞰的に捉えた「山のあなた」(2007)は、目に染みいるような緑の美しい静謐な風景画です。それに身近な木々の枝葉や果実を手元に寄せて描いた「みのり」(2007)なども、まさに森の恵みを浴びているかのような、実に穏やかな気持ちにさせられる作品でした。また、油彩よりもパステルの質感が強く、沈み込むような色彩感も優し気にうつります。大らかな絵画です。
若干の既視感を覚える作品も少なくありませんが、おそらく押江の最大の魅力は、線と面が図形を描くようにして交互に重なり合う、その抽象的な構図感にあるのではないでしょうか。深い森の姿を眺めた「森のなかで」(2008)では、木々や葉が真っ直ぐに引かれた線や円などの形に還元されています。具象と抽象のぶれが、見る者に様々なイメージを与えていきそうです。
6月14日までの開催です。
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よく拝見させていただいております!
私も30日に観てきました!
私は群馬県立近代美術館で押江さんの
「すずなり」と「あまいにおい」を観て
一撃を受けました^^
で、ネットで検索してこの画廊を知って行ってきました。
私は押江さん=ピンクというイメージが強すぎて、
こちらのシリーズにはびっくりしました。
>かの東山魁夷の風景画を現代アートへ置き換えるとこのような作品になるのかもしれません。
そっかー
そういう目でみると新鮮だったかも!
では今後も沢山ロムしまーす^^
>群馬県立近代美術館で押江さんの「すずなり」と「あまいにおい」を観て一撃を受けました^^私は押江さん=ピンクというイメージが強すぎて、こちらのシリーズにはびっくりしました。
私は押江さんの作品を見たのが初めてだったのですが、
元々はピンクなどをよく使われる方だったのですね。実を描いた作品の淡い暖色も素敵だなと思いました。温かみもありますよね。緑との対比も鮮やかです。
>今後も沢山ロムしまーす
いつもありがとうございます!また宜しければ遊びにきていらしてください。お待ちしております。
チケットが当たる確率が高いというから僕は千円出して定期購読しましたがだめですね、ろくなチケットがない。
西村画廊つて結構有名ですよね。
高島屋の前にあるとか。
どのくらいの広さなのかな?
アーティクルは一応、毎号戴いています。今回は押江さんの特集だったので早速西村へ行ってきました。懸賞は出したことがありません。当たるのでしょうか…。
>西村画廊つて結構有名ですよね。
高島屋の前にあるとか。
かなり老舗ではないかなと思います。主に絵画系の作家が多いですね。前回は横尾さんでした。面積も画廊としてはかなり広めです。okiさんも如何でしょう。
思わず小さなリーフレットを買いました。
# でも、作品にはちょっと手が出せないなぁ...
こちらにもありがとうございます。
>でも、作品にはちょっと手が出せない
西村はあのリーフレットが嬉しいですよね。
会期末にでももう一度行ってこようかなと思います。