都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「北川宏人 - ポスト・ニュータイプ2008 - 」 東京画廊
東京画廊(中央区銀座8-10-5 7階)
「北川宏人 - ポスト・ニュータイプ2008 - 」
10/1-25
思えば東近美工芸館での「工芸の力」でも異彩を放っていました。テラコッタ人形でお馴染みの北川宏人が登場します。東京画廊での新作個展へ行ってきました。
工芸館で初めて見知った際には、その細身でシャープな造形にも由来するのか、近未来SF的な等身大人形、という印象を受けましたが、不思議と今作の展示ではあまりそのような味わいが感じられません。とは言え、北川の人形の基本形は同じです。スリム極まりない体型に小さな頭部、そしてやや肩の力を落としながらすました面持ちで佇む形は、何やら子供がそのまま大きくなったかのような無邪気さを漂わせながら、それでいて一抹の倦怠感を背負う若者の有り様を先鋭化させて『予言』しています。またもちろん、そのような全体のクールな印象とは真逆の、テラコッタ特有の人の手の温もり感も健在です。表面の凹凸には作家の指の力の加減がそのまま残り、それを焼くという過程で生まれたヒビなどによって、均一でない、それこそ楽焼の表面を見るかのような豊かな表情をたたえています。そのギャップもまた興味深いところでした。
テラコッタではない、強化プラスチック製の『ミニスーパーマン』が一風変わっていました。小さな人形があたかも隊列を組かのようにしてズラリと並び、首を持ち上げて、こちらを見やるような仕草をしています。その視線の先には何があるのでしょうか。
本日(25日)、夕方5時までの開催です。
「北川宏人 - ポスト・ニュータイプ2008 - 」
10/1-25
思えば東近美工芸館での「工芸の力」でも異彩を放っていました。テラコッタ人形でお馴染みの北川宏人が登場します。東京画廊での新作個展へ行ってきました。
工芸館で初めて見知った際には、その細身でシャープな造形にも由来するのか、近未来SF的な等身大人形、という印象を受けましたが、不思議と今作の展示ではあまりそのような味わいが感じられません。とは言え、北川の人形の基本形は同じです。スリム極まりない体型に小さな頭部、そしてやや肩の力を落としながらすました面持ちで佇む形は、何やら子供がそのまま大きくなったかのような無邪気さを漂わせながら、それでいて一抹の倦怠感を背負う若者の有り様を先鋭化させて『予言』しています。またもちろん、そのような全体のクールな印象とは真逆の、テラコッタ特有の人の手の温もり感も健在です。表面の凹凸には作家の指の力の加減がそのまま残り、それを焼くという過程で生まれたヒビなどによって、均一でない、それこそ楽焼の表面を見るかのような豊かな表情をたたえています。そのギャップもまた興味深いところでした。
テラコッタではない、強化プラスチック製の『ミニスーパーマン』が一風変わっていました。小さな人形があたかも隊列を組かのようにしてズラリと並び、首を持ち上げて、こちらを見やるような仕草をしています。その視線の先には何があるのでしょうか。
本日(25日)、夕方5時までの開催です。
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