「THE ECHO」 ZAIM

ZAIM別館3、4階(横浜市中区日本大通34
「THE ECHO」
9/13-10/5



明日、明後日に横浜トリエンナーレを予定の方には、是非ともおすすめしたい展覧会です。日本人若手アーティストのオールスターが揃います。ZAIM別館でのTHE ECHOへ行ってきました。

参加アーティストは以下の通りです。
青山悟、秋吉風人、天野亨彦、泉孝昭、泉太郎、磯邉郎、榎本耕一、大野智史、大庭大介、川上幸之介、鬼頭健吾、榊原澄人、さわひらき、竹村京、田幡浩一、名和晃平、星野武彦、政田武史、増田佳江、山口智子、渡辺豪

 

個々の展示が全体に関係する部分が少なく、画廊の企画をそのまま繋げたような印象は否めませんが、それ以前にこれほどの実力派の作家をひとまとめにして見られることからして大変に貴重であると言えるでしょう。外光を巧みに用い、そのきらめく光の波を壁の三面より照らし出す大庭大介の「UROBOROS」や、木屑をキャンバスへ塗り込めたような独特なタッチで、シュールな光景を鮮烈な色遣いで描く政田武史のペインティング、さらには暗がりの一室で、刺繍絵画をまるで映像のようになびかせた青山悟など、トリエンナーレではお目にかかりにくい、それ自体に力のある作品がずらりと紹介されています。作家の真っ向勝負を見るには、トリエンナーレよりも明らかにこのZAIMではないでしょうか。これぞ『アート』です。



とはいえ、変化球気味の、一風異なったインスタレーションが展示されているのもZAIMの奥深いところです。力漲る性のモチーフが展示室全体を埋め尽くす大野智史の「子宮としての原生林」をはじめ、絵の具チューブのロケットが行き交う泉太郎のビデオインスタレーションなどは、破天荒な面白さと、その反面での奇妙に力の抜けた笑いの感覚が魅力的な作品でした。それに鬼頭健吾や名和晃平らと言ったお馴染みのアーティストも、例えばMOTなどで見るようなイメージとは異なった作品で楽しませてくれます。まさに多種多様です。



これだけの展示を都内の画廊などで追っかけるとしたら、おそらくは数年はかかってしまうのではないでしょうか。無駄に広いスペースも、また音声ガイドの力も必要としない、ダイレクトに心へ伝わる展示が繰り広げられています。

明後日の日曜、5日まで開催です。(入場料500円です。)
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