老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

エビ・カニ・ハト

2009-08-08 10:46:25 | ベトナム
今頃のりぴーは世間という巨大な拷問に耐えながら、山奥のひなびた温泉に隠れ住んで風呂掃除でもしているかと思うと可哀そうでならない。
そのことがアタマを離れず食欲もないまま晩ご飯は旧市街の路地裏の、細く曲がりくねった、まさにロング・アンド・ワインディング・ロードを抜けてたどり着いた、知る人ぞ知る、ローカル・エビ・カニ料理の名店、Bit Tet Ongloi。

ハノイの旧市街を歩いていると道に面して何mおきくらいに幅1mくらいの口が開いていて、その先をのぞくと2、30mの路地が続いていることがある。果たしてコノ路地の先にはどんな世界が広がっているのかと思いながら、一人で入って生きて戻れなかったら困ると思って今まで入らずにいたのだが、今日のこの店がまさにそんな路地の先に、蛍光灯のカンバンだけが人々を誘うそういう店だった。
で、中に入ると入り口わきにおばさんが何人もいてハトを丸ごと揚げていたりカニを叩き潰していたりして、その先の空間には多くのヒトがうごめくようにテーブルを囲んでひたすらしゃべり、食べている。コレは25年前にベネツィアに行って、路地に迷い込んで一軒の店のようなところに入り込んだら、ソコの広間の大きなテーブルの上に羊が仰向けに寝かされて、白熱電球の下で3、4人の男たちが毛を刈っている、あの時のように、半分夢の中のような、これが現実かと思わず目をこすらずにいられなくなるようなアンリアルな光景だった。

で、最初に食べたのはこのエビとナマズのスープ。パンの揚げたのが浮かんでいる。パクチーの味が微妙に口の中で広がって絶妙。次にカニの辛いソースで炒めたのと茹でたの、1匹200,000ドン。あとはエビの茹でたのに塩とレモンを付けて食べるのと、ハトの丸揚げ。どちらも60~70,000ドン。ビールも飲んで一人200,000ドンでお釣りがくる。地元の人たちがワレワレのような侵入者をやさしく迎えてくれる。
場所はホアンキエム湖の北側、旧市街のド真ん中はMa May通りの先、Hang Buom通り51番地。この辺は植民地時代の侵略者及び戦争加害者の子孫である欧米人旅行者の群れが、牛のようにいい気になって歩いている。