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老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

百物語

2016-07-16 11:32:40 | 俳句
古い歳時記「日本大歳時記」講談社版

夏の夜、怪談で肝を冷やして涼しさを味わう趣向の催し。
百本の蝋燭を立てて、多人数を集めて、一人が一つずつ化物など恐ろしい話をしては、一本ずつ消してゆき、百本目の蝋燭を消すと化物が本当に出てくるというのである。(山田みづえ)

   ☆   百物語はてて灯せば不思議な空席   内藤吐天

何冊かの歳時記を見てみた。
新しく出た歳時記からはこの季語がなくなっている。
今重宝をしている電子辞書の歳時記には、これと同じようなことを記している。

参加しているしりとり俳句で、一年に一回、この季語百物語を詠い続けるて百句の催しのようなものがあった。
7月6日に一句目が投句され、昨日15日をもって100句、詠み続けられで無事終わった。
その投句の中から、恐いと思う句を

   🎐  蝋燭を点しに来たり百物語   河童
       主催者である河童さんが蝋燭を点して準備が整ったところか

   🎐  百物語しどろもどろに始まれり    アネモネ
       この時点では蝋燭は一本も消せない

   🎐  百物語 まづは大きな咳払い   ラスカル
       まだ蝋燭は消せない

   🎐  百物語蝋燭の灯の消えかかり   ラスカル
       一本の蝋燭も消すぬまま風が吹いたってところか

   🎐  百物語人来るたびに始めから    兎波
       まだ身の毛もよじるような怖い話が出ません。参加者が増えた。

   🎐  蝋燭のぢりぢりと百物語   猫髭
        蝋燭がぢりぢりと溶ける音がきこえる。息をこらして聞いている。

   🎐  百物語座席に鵺の紛れ込む   菊子
       鵺が紛れ込んできた。物語の演出効果かな

   🎐  百物語主賓の席の空いたまま   兎波
        怖い話はまだ登場していない

   🎐  茶坊主の貌は一つ目百物語   河童
        茶坊主は本当に怖い。茶坊主、お局は必要悪、いるだけで怖い。
        ここで一本蝋燭消そう。
   
   🎐  百物語小鍋を使ふ効果音  ラスカル

   🎐  百物語背後ごそごそかじる音   まりこ 

   🎐  百物語掛け軸の絵の滲み出す  ラスカル
       少し怖くなりかけた

   🎐  俺の血ぢやないと百物語しつ   猫髭
       現実味ををおびた、現代の百物語。

  ここまでで60句が詠まれた。



他のページに投句した自句

   🍒  策士が策に溺れたる百物語

   🍒  水琴のふいに鳴りだす百物語

   🍒  熱い白湯ふるまゐ百の物語 

私は何が怖いって生身の人間が一番怖いと思っている。
満場一致で蝋燭を消すような怖い物語なかなかかな~。
次は明日。









    
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いつものように独りで吟行

2016-07-15 09:59:06 | 俳句

昨日の栗林公園で見つけた、睡蓮の池。
こんな、すばらしい睡蓮の池があるのは、またまた新発見。

夫の転勤に伴って来た社宅の近くにあったこの公園に、医者が、パスポートでも買って身体の為になるから、歩きなさいと勧められたのが最初。
365日、毎日速足でたっぷり一時間歩いた。
俳句とは、離れていたから、春夏秋冬、それなりに景色を楽しみに歩いた。
散歩の途中に公園の中にある、お休み処でおうどんを食べる。


あれだけ毎日歩いていながら、この頃になって、俳句を再開してから、初めて訪れた場所のように、新しい発見に毎日出会う。
あの頃はどこに目がついていたのか自分を疑う。

散歩コースの終わり近く、公園の東南に位置する場所にある「吹上」。
花より団子のお休み処の横手にある、公園を流れる川の源流地、とだけ考えていた。
涼しい風に誘われて、ひょいと近づく。

こんな、説明の立札があった。
小鳥が水浴びをしている巌の隙間から、水が吹き上げている。
樹々が覆いかぶさった水面は薄暗い。
木洩れ日に、吹きあがってくる水が光っている。
これも発見。



俳句を再開して最初から、独りで俳句をやったのではない。
たまたま講演を聞きに行ったのが、中央のある俳句の主宰をやっていて、、、
そこの支部があるらしいので、入会をした。がががが、、、、
句会に出席するたび幻滅をする。
毎月、毎月、ケチをつけるといおうか難癖とおぼしき選評が繰り返される。

> 裏窓を電車すれすれ簾吊る。。。。
  「ただの簾じゃなく 青簾がいい;;;;」
  電車が駅裏の長屋や、店舗の裏窓をすれすれに走る。
今だと、簾が古い、青簾以前に紫陽花でも、凌霄花でも車窓には季語が沢山ころがっている。類句類想が多いこんな投句はやらないだろう。
> 志度の浦。。。
  「誰に志度の地名が通じると;;;」
明日は(志度詣で)なる季語も歳時記には載っている。
> 舟にメーデー旗。。。


ブログに他人さまの批判を書ける立場に無いし、力もない。ルール違反は承知。
しかし、苦い経験として、記憶の底に、

「来月は吟行を実施します。参加者は手をあげて下さい」
手をあげた。すると
「朝が早いですよ、。。。」
ああ、こりゃ最低だ。こんな拒否のしかたもあるんだ。
この「吟行は朝が。。。。」これを機会に脱会。この全国に名を轟かせているだけの俳誌は卒業。


独りの吟行はこんなことがあってから、始まった。
公園に行くと、毎日感じることがある。
頭の体操として、代わり映えのしない写真をブログにも載せるが、同じ景から昨日と違う何かを探す訓練を重ねる。自分なりの独り吟行をやる。
仲間がいないので、視点が独りよがりになる。淋しい。切磋琢磨をする、句友がいればいいのに。しかし、あのような漢に又と思うと、独りもしかたないかとあきらめもできる。


   🍒   雨のくる気配蓮池うねり出す





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回遊池のある公園

2016-07-14 18:08:17 | 俳句


百年の間に歴代藩主によってつくられた栗林公園。
2009年に「ミシュラン観光ガイド」に、(わざわざ訪れる価値のある場所)として最高評価の三つ星に選定された。

その公園に昨今は一週間に二度以上は散策にでかける。
昔だと庶民の私などは絶対に、入れるこたはできなかったに違いない。
贅沢な回遊式大名庭園は、おとずれる度に新しい発見がある。

幹の周りが5~6メートルもある五葉の松。
高さは6~7メートル。
今日、この松に初めて気が付いた。



縦横に巡らせている手入れのゆき届いた散歩径を歩いていたとき、泉殿で涼をとっている観光客がふと目に入る。
泉殿が建っている池のそばの庭にある、木々の中のその一本。
五葉の松のこんな大きな木は初めて見た。



泉殿とは、平安時代の寝殿を中心とした建築様式の建物の一つで、廊の端、庭中の池に臨んで設けられた四方に壁の無い建物。納涼の為に作られたものという。 泉殿では夏には連歌も行われたようである。 (復本一郎)

    ⁂   よりかかる柱映れり泉殿   池内たけし

    ⁂   泉殿西日となりて下りけり   吉岡禅寺洞


公園にはこんな素晴らしい季語になる建物が建っている。
いくら季語の材料があふれ、あちこちに散らばっていても句を作れないのが悲しいかな、私は。

   🍒   ゆくところ水音ありて涼しかり

   🍒   泉殿和船繋がれをりにけり

   🍒   吹上の音絶ゆ間なき木下かな

   🍒   水浴びて小鳥苔むす巌渡る

   🍒   水亭のへりを緋鯉の過りゆく
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凌霄花雲間より日矢射しきたる

2016-07-13 18:08:09 | 俳句


  ⁂   凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリア   中村草田男

凌霄花の花を見るとこの句を必ずおもいだす。
::::妻恋ふ真昼のシャンデリア)のこのシャンデリアが何とも、なまめかしい。
大地に根付く、子孫繁栄の健康的な艶めいた生命力あふれる句だと思う。
なにより、長く垂れさがって咲く凌霄花の花をシャンデリアと言い切ったのがいい。


どなたかが言っていた。
「凌霄花を見ると、晴れ渡った夏の空をものともせず元気に咲いている。私もこの凌霄花に負けないような元気がふつふつと湧き上がってくる。」
そのとおり。
自分も、この花を見ると、夏だ。青空だ。生きている。と拳を太陽にかざす。


今日は、微熱があって 37,2度。
一昨日から、何度か、胸の痛み、喉から耳まで突き上げてくる痛み。
病院に行く。
逆流性の胃炎。
自分の想像していたとおりでまあ安心。
心筋梗塞とか、脳梗塞のような、病気を心配する年齢になっているから。
帰り道、凌霄花の花を見て、少し元気をとりもどす。


    🍒   三味弾けばニャーニャーと鳴る百物語

    🍒   百物語磁石くるくる回りづめ
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栗林公園は木陰がいっぱい

2016-07-12 17:40:56 | 俳句



一週間に一度は訪れている栗林公園。
ぶらぶらととりとめのない散策をするばかりで、実は公園の歴史などや詳しいこたは何も知らぬ。
観光客が、パソコンなどで、見どころや歴史などを調べて来ているので、内容は詳しく知っているかもわからぬ。

公園のメーンの建物は、100年前に建った「商工奨励館」である。
三島由紀夫の原作「豊饒の海」の映画のロケの建物として登場したこともあるとか。
午后12時の日の盛り。
歩くのに草臥れ、商工奨励館の建物の中に入る。

   🍒   蘇鉄咲く大屋根のある馬車回



この建物の二階部分にバルコニーがある。
そこから、眼下を見下ろすと、大きなヒマラヤ杉?が緑陰をつくっている。
いくつかのベンチがあり、いつも誰かが利用をしている。
観光客を案内しているボランティアガイドの声が風にのって聞こえてくる。

   🍒   緑陰に早口言葉の外国人

   🍒   大緑陰時計に落とす目いくたびか

   🍒   異邦人めくつかの間を緑陰に



公園に入りて直ぐにある、緑の芝生。
春は桜の花の下でお花見の人が宴を張る場所。
芝生の真ん中のおおきな緑陰で 絹ちゃんと、ママがお弁当を食べていた。



絹ちゃんは大きく見えるけれど、まだ一才だと言う。
涼しい風が吹き抜ける、こんな素敵な場所を二人占め。

    🍒   ママつまるしりとり遊び木下陰

    🍒   バンダナは緑よ風の涼しかり

    🍒   緑陰へ電車過ぎ行く音聞こゆ

    🍒   炎昼の影ひとつなき駐車場

    🍒   案内人のかたこと英語庭灼ける

この暑いのに運動に歩け歩けと夫。
栗林公園まで足を伸ばした。
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