老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

野焼き

2017-02-12 15:33:22 | 俳句
     

玄関を開けると溜池の畦を焼いている煙が見える。
溜池を管理している人達が集まって堤防を焼いているのだろう。
日本列島を覆っている寒気団はまだ四国の上空にいるが、寒いとばかりは言っておれないこいとも。
勤めをしながらの半農の人は日曜日をこの野焼きのスケジュールに組み込んでいるのであろう。
風にあおられて煙がこちらに吹いて来る。


    

ごくらく蜻蛉の私は皆さんの邪魔にならぬよう近づいて見に行く。
土手の煙の中からぬ~とお隣の旦那さんが現われる。
風がきついので煙はどっちの方向へ回るか定まっていない。

蘆、薄、荻、熊笹と私の記憶の草が勢いよく焼かれていく。
吾亦紅、釣鐘人参、イタドリ、蛇の髭などなどが焼かれている。
一週間もすれば、駆除された害虫の土の中から元気な芽が出てくるだろう。


    ★    ぽつぽつとぼぼぼと野芝焼かれけり

茎が太い草はぽつぽつと音がする。普通の芝はばばばばばと火が走る

    ★    ばばばばば音たて駆ける野を焼く火

    ★    おいおおーと声を交わして土手を焼く

    ★    火の舌がはしりなめゆき堤焼く 

    ★    今焼きし堤に尿放ちをり   
コメント
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