孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

海外赴任は出征か、出稼ぎか

2016年05月23日 | 社会観察
先週末に、職場の一人が海外工場に出向するため、彼の自宅近くの鉄道の駅から成田空港に出発した。

もう数ヶ月前に決定していたことで、これまで語学研修などを中心に過ごしてきて、職場ではこれといったルーティン業務も無く、私は正直言って、「あの人は何をやっている方なのか?」といつも疑問に思っていた。

見た感じ40代後半の方なので、家族は帯同するのかと同僚に聞いたところ、彼はまだ独身だということだった。そういう身軽な方に海外赴任という白羽の矢が立ったのか、特に担当させる業務が無かった状況なので、本人から海外出向を希望したのか、どちらかなのかは定かではない。

タイに向う飛行機は土曜日だったが、早朝出発のようで、東京に前泊する予定だったそうだ。職場では、「○○さん、見送り希望者は、返信して下さい。」というメールが来ていて、「ああ、JRの駅まで見送りに行く人がいるんなだあ。」とぼんやり思っていたが、当日は、何と社員のほぼ全員が自家用車で駅に向ったのだった。

私と他に数人が事務所に残っただけで、多分20人以上が駅に見送りの為に出かけ、およそ1時間半くらい事務所を不在にしていた。

  出征兵士の見送り

これも企業文化なのだろうけど、私は「なんともオメデタイ会社だこと・・・。」という印象だった。駅のプラットホームで水杯でも交わすのだろうか?そして、その後バンザイ三唱をして、日の丸の小旗を、千切れるほど振って見送るのだろうか?

 銃後を守る国防婦人会も見える

私自身、何度も海外赴任を経験したが、一度も駅で見送られたことなどなかった。むろん、それを言い出されたら断固断るが、先週東京に向った彼は恥ずかしくはなかったのだろうか?などと、私は勝手なことを考えていた。

勤め先は、グループ全体でおそらく百人以上が海外出向中だろうが、当初は海外に赴任することは、無事帰国する保証はないという雰囲気だったのだろう。

しかし、状況は変わって、今では海外工場に赴任する人たちは、「出稼ぎ社員」などとも呼ばれる存在となった。

時代も変わったものである。





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