まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

色づかぬ そのままの葉で 今日を終え

2016年11月13日 | ふるさと散歩

 さぬき市地方は高気圧に覆われて概ね晴れていたが、気圧の谷の影響で夕方からは雲が広がってきた。気温は11.2度から19.5度、湿度は92%から72%。風は1mから3mの北東の風が少しばかり。今日も「小春日和」の一日になった。明日の14日は、気圧の谷や湿った空気の影響で雨が降る見込みらしい。

 

 昨夜は孫のはやて君がお泊まりに来ていて、今日も部活があるからと、5時半起きの6時出発で屋島の家まで送っていって・・・

 

 高松市鬼無町にある高校まで送って行った。ここまで来たのだからと、五色台の紅葉でも見て帰ることにした。今日の予定がキャンセルになって来週に伸びたので、今日は全く予定がなかったこともある。

 

 で、やってきたのが根香寺さんであるが、ここには次のような伝説がある。昔、青峯山には人間を食べる恐ろしい怪獣、牛鬼が棲んでいた。村人は、弓の名人、山田蔵人高清に頼んで退治してもらうことにした。しかし、高清が山へ入るけれど、なかなか牛鬼が現れない。そこで高清は根香寺の本尊に願をかけたのである。

 

 すると21日目の満願の暁に、牛鬼が現れ、高清の放った矢が口の中に命中。逃げる牛鬼を追うと2kmほど西の定ヶ渕で死んでいるのを発見した。高清は牛鬼の角を切り取り、寺に奉納した。その角は今でも寺に保存されている。また牛鬼の絵は魔よけのお守りとして親しまれている。

 

 ここの紅葉は今月の下旬ごろが見頃。今はまだまだほんの一部分だけ。五色台の主峰、青峯山に佇ずむ、かつての巨刹。五つの山に金剛界曼荼羅の五智如来を感じた弘法大師は、密教修行の地として青峯に「花蔵院」を建立された。後に大師の甥にあたる智証大師が訪れた際、山の鎮守である一之瀬明神に出会い、「この地にある毘沙門谷、蓮華谷、後夜谷に道場を作り、蓮華谷の木で観音像を作りなさい」というお告げを受けた。

 

 智証大師は蓮華谷の木で千手観音像を彫造し、「千手院」を建てて安置した。この霊木の切り株から芳香を放ち続けたことから「花蔵院」、「千手院」を総称して根香寺と名づけられたといわれている。後に、高松藩主らにより再興され、この時に天台宗へ改宗されている。

 

 ものはついでだからと、もう一つのお寺、「白峯寺」にも寄ってみた。青峯、黄峯、赤峯、白峯、黒峯の五色山のうち、白峯にある静かな古刹である。弘法大師と大師の妹の子と言われる智証大師が創建されたとされている。弘仁6年、白峯山の山頂に、如意宝珠を埋め井戸を掘り、衆生済度を祈願に堂宇を建立した。後に智証大師は、山頂できらめく光を見つけて登頂。山の神である白峯大権現の神託を受け、霊木で千手観音像を彫造し、これを本尊にしたと伝えられている。

 

 ここの紅葉もまだまだ。カメラマンたちも下見の段階らしく手持ちぶさたでたたずんでいた。

 

  「啼けばきく きけば都の恋しきに この里過ぎよ山ほととぎす」これは保元の乱で破れ讃岐へ流された崇徳上皇の歌だという。上皇は都へ帰りたいという思いが叶わぬまま寂しくこの地で亡くなられたが、その三年後、上皇と親しかった西行法師が詣でた話は上田秋成作「雨月物語」の伝説で有名。その後も都では異変が相次いだため、後小松帝は上皇の霊を祀る法華堂に「頓証寺殿」の勅額を奉納。また、悲話を伝える玉章木(たまずさのき)も佇んでいる。

 

 こちらが、崇徳上皇白峯稜である。長寛二年(1164)8月26日、46歳で崩御された崇徳上皇は,遺体を八十場の泉に浸された後、9月16日に白峰山で荼毘に付され、その場に埋葬された。お墓である御陵は,積み石の方墳であったといわれている。都から遠く離れた地の御陵であったため,江戸時代には荒廃していたといわれているが、初代高松藩主松平頼重、五代頼恭、十一代頼聡らにより修復が重ねられ、参拝口を現在の南面に改めるなど、今日みられるように整備されてきた。

 

 周囲の紅葉はまだまだというところだった。

 

 五色台を下る時、年のせいか、車が吸い込まれそうで恐ろしくて20Kmほどで下りてきたが、最近の車のブレーキは大丈夫なんだろうか。少し前までは、このような待避所があったが、近年は全く見なくなった。ブレーキが効かなくなった時、ここに乗り上げて車を停める・・・というものだったが、すっかりと姿を消してしまった。オートマチック車にはエンジンブレーキなんてないと思うのだけれど。

 

 今日の掲示板はこれ。「葉を落とし 凛と冬待つ 桜かな」というもの。私には落とす物もなく捨てる物もなく、煩悩や欲望を抱えたまんまで漫然と冬を待っている。秋が過ぎるなら過ぎるでいい。冬が来るなら来るでいい。桜のように生きられないのは覚悟の上だ。

 

じゃぁ、また、明日、会えたらいいね。



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