「阿弥陀杉」は旧足助町、現在の豊田市大井町にあり、国道のすぐ脇の小高い塚の上に立っているのでよく目立つ。幹は太いものの、丈はスギとしてはそれほど高くなく、天然記念物に指定されている訳でもないが、長野県根羽村へ柿の木を見に行った途中で目に付いたので、何か曰くのある木ではないかと思って立ち寄った。
樹齢は不明だが、幹周り5.1m、樹高16mだそうだ。武田信玄が三河に攻めてきた時に、阿弥陀仏がこのスギの木の上に逃げて避難したので、それ以来、このスギは上に伸びなくなったと案内板に書いてあった。その言い伝えから推定すれば、樹齢は少なくとも500年以上にはなるだろう。この塚は「塩狭間古窯」という12世紀後半から13世紀初頭に使われた昔の窯の跡だそうだ。