奥殿陣屋は、地元以外には知名度がないだろうから、復元された書院の門構えだけでも紹介しておこう。この裏には立派な日本庭園があり、秋には紅葉が綺麗だ。隣の花壇には、四季を通じて季節の花が植えられるので、訪れる人は多い。
奥殿陣屋は、徳川家康ゆかりの松平氏一族が三河の大給(現在の豊田市)に陣屋を構え、後に大給から同じ領内の奥殿(現在の岡崎市)に移転して、奥殿藩の陣屋としたのが始まりだそうだ。その後、陣屋の建物は移築されたり取り壊されたりして、跡地は田畑となっていたが、1984年に建物の一部が復元されて、今は岡崎市の観光施設となっている。裏山には松平氏歴代藩主の墓所や土塁も残っている。2006年に放送されたNHK連続テレビ小説「純情きらり」のロケが、この奥殿陣屋で行われたことから、地元では一躍有名になったようだ。