長野県根羽村に推定樹齢1800年余りの「月瀬の大杉」がある。国の天然記念物に指定されており、地図にも出ているくらいだから、かなり有名なスギの巨木だ。案内板によると、幹周りが14mで樹高は40mあるので、近くで見ると圧倒されるくらい立派だ。屋久島の縄文杉に次いで大きく、長野県では最大最古であり、全国でも6番目のスギの大木だそうだ。その昔、二度ほど伐採の危機があったが、住民の嘆願により売却を免れ、今日まで保存されている。去年の12月に根羽村へ柿の木を見に行った時に、近くだったので、ついでに立ち寄ってみた。
山国の日本では、全国各地に巨樹・巨木や有名な古木の類は多く、樹齢を経た大木といっても決して珍しいものではない。綺麗な花も咲かず紅葉もしない常緑樹では、写真を撮ってもあまり面白くないが、何百年という歳月を重ねてきた老木にはそれなりの風格があって、遠い昔のロマンや永い歴史を感じさせる魅力があると思う。