角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

冬の猛吹雪ミステリー「暴雪圏」

2012-02-03 15:44:57 | ミステリー
いやー、この間の暴風雪はすごかったですね。
小生の住む新郷村川代ではただ、のどかに雪が降っただけでしたが、国道279号の渋滞ニュースは全国で報道されましたもんね。


この、車が雪に埋れて立ち往生し、近くの公民館に一晩避難したりしている人々をニュースで見て、真っ先に思い出したのが、佐々木譲先生「暴雪圏」です。舞台は、青森県じゃなくて北海道なんですが・・・




〈ストーリー〉
最大瞬間風速32メートル。十勝平野が十年ぶりの超大型爆弾低気圧に覆われた日の午後、帯広近郊の小さな町・志茂別ではいくつかの悪意が蠢いていた。暴力団組長宅襲撃犯、不倫の清算を決意した人妻、冴えない人生の終着点で職場の金を持ち出すサラリーマン…。それぞれの事情を隠した逃亡者たちが辿りついたペンション・グリーンルーフで、恐怖の一夜の幕が開く。すべての交通が遮断された町に、警察官は川久保篤巡査部長のほかいない―。超弩級の警察小説。


一応、川久保巡査部長が主役という事になっていますが、いろんな、事情を持った登場人物たちの群像劇です。
なので、厳密には「警察小説」ではないですね。

この、悪天候のおかげで、いろいろな事情をもつ登場人物たちが、山荘や別荘に閉じ込められるミステリーって映画や小説でも何度となく使われてきた「古典的」プロットですよね。確か、漫画のゴルゴ13にもありましたよ。

こんな天気の悪い日に、様々な事件が一晩に集中して起きるもんか!などとつっこんではいけません。

ミステリーの名手、佐々木先生の手にかかれば、なーんの不自然さもなく、みんな山小屋に集まるではないですか。
しかも、北海道在住の作家らしく、その暴風雪の描き方などは、息苦しくなるほどリアルです。

これ読み終わった直後に、横浜町の集会所で一晩明かすことになったら、おっかなかったでしょうね。

ちなみに、この「暴雪圏」は「制服捜査」という小説の続編ですが、全く独立した話なので、前作読まなくても何の問題もありません。


こっちは川久保巡査部長が主役のばりばりの「警察小説」なんですが、もう面白いのなんのって、是非ご一読をお勧めします。

というわけで、静かに降ってくる川代の雪を見ながら、暖房のきいた部屋で読書をするって、最高です。


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