角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

さすがの安定感、横山秀夫「臨場」「動機」&堂場瞬一「アナザーフェイス」

2013-02-09 19:16:25 | ミステリー
 久しぶりにミステリー。

・・・・てかミステリー読んでも、書くのめんどくさくてサボっていたわけ。

ということで、最近読んだヤツを手抜き作戦でいっぺんに3冊。

まずは横山秀夫先生の「臨場」

 某県警の鋭いながら人情深い「終身検視官」の異名をとる倉石義男を主人公にした短編8編からなるのが本書。
 遺体がでて鑑識が調べる前になるだけ遺体から情報を引き出す初動捜査の要になる「検視官」の鬼気迫る捜査が描かれます。
 で、主人公の倉石はあまりにパーフェクトな検視眼を持ちながら、組織の上からはウトがられているわけ。上司にもタメ口だし。
どの短編も緻密な描写と巧みなストーリーで唸らされます。ともかく、かっこえぇです。


 続いては、同じく安定感あふれる横山秀夫先生の「動機」。もう、安心して読んでられます。

 ちょっと長めの短編が4編集録されているんですが、各編独立していて主人公も別々。

 1.「動機」 本書名でもあるこの短編は某県警の「警察手帳大量紛失」事件を描いた本格警察もの。警察ものなんですが、正式な事件ではなく警務部と刑事部らの警察内部の抗争劇を描いているんですが、最後はほろりとした結末で、さすがの一言。

 2.「逆転の夏」 刑務所出の葬儀会社に勤める中年男。ちゃんと更正し別れた妻子とよりを戻すことを夢見る主人公に、ある日殺人依頼の電話が来て徐々に巻き込まれていきます。そして、驚愕の結末が・・・騙されまいと思っても必ずえーっとなっちゃうことうけあい。

 3・「ネタ元」 地方新聞の事件を追う若き女記者の活躍記と申しましょうか、悲哀に満ちた一編。横山先生自身地方新聞の記者出身のためか、もうその描写はリアルそのもの。これも最後にものの見事に騙されちゃいます。

 4.「密室の人」 主役は仕事一筋の絵に描いたような堅物判事なんですが、ある公判の審理中に居眠りしちゃうわけ。まぁ、なんてことないポカミスですみそうに思われたんですが、これが思わぬスキャンダルに。これに再婚した妻や上司が絡みあい、お話は意外な方向へ展開していきます。ラストにふさわしいビックリ度ですよ。


そして、この間読み終わったんですが、堂場瞬一先生の「アナザーフェイス」

 まぁぶっちゃけで言えば小生にはちょっとイマイチだったかも。

 妻に死に別れ、子育て奮闘中の異色のイケメン警察官が、「子供誘拐事件」を気に久々に現場復帰し事件の真相に迫るというお話。
 警察小説の刑事がいきなりスーパーのチラシを凝視しながら、今夜のおかず作りを練る冒頭シーンからこの主役が置かれた状況が説明されていくんですが、いきなり起きちゃうんですなぁ「誘拐事件」が。
 んで、ここからノンストップで事件解決→そして、ホントの真相までが描かれます。
 いや確かに確かに面白い。面白いんだけど、途中からなんとなく事件の真相が読めてきちゃったんですよね。
 うん、いやラストには更に驚愕の真相があるに違いないと願うんですがそのまま終わっちゃいました。
 まぁ、小生の無いものねだりだったかも・・・・・。とはいうものの次作も呼んでみよーっと。


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