角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

久々のミステリー 香納諒一 「蒼ざめた眠り」 泣かせる香納節炸裂!!

2014-10-11 19:35:22 | ミステリー

 しばらくバタバタで全く読めていなかったミステリーなんですが、唯一時間が有り余っているのが、出張時の移動時間。

 八戸→東京間の新幹線は片道3時間あるわけで、9月は2回往復したから、12時間。

 成田→北米西海岸の機内は約10時間あるので、往復20時間。

・・・と、いうわけで、何を読もうか迷った挙げ句、これにしました。

小生大ファンの、香納諒一先生の「蒼ざめた眠り」




これ、ハードカバーでは「虚国」という名で出版されていたらしいんですが、文庫版にあたり改題して出版。

で、小生昨年SONYReader Storeで購入してたのを、いい機会なので読むことに。

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【ストーリー】

 死にかけた海辺の町にもちあがった空港建設計画。町は真っ二つに割れていた。廃墟の撮影に訪れたカメラマンの辰巳翔一は、反対派の女性ジャーナリストの絞殺死体を発見した。 

 殺害女性の元夫である地元紙記者から、探偵だった経歴を買われ、辰巳は事件の捜査に着手する。簡単な事件かに見えたが、事態は二転三転。やがて辰巳自身想像すらしなかった事件の闇に絡め取られていく。  

 行きつく先は、絶望か、希望か?疲弊する共同体、己が欲得に溺れる人間たち。この国の断片を活写したハードボイルド・ミステリー巨編。

「BOOK」データベースより

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 舞台になるのが、紀伊半島の架空自治体。うちのTazawaちゃんの嫁さんの出身地のあたりでないべか。

 この地方都市で起こった殺人事件を解明していくにあたり、5年前のホテル放火事件が複雑に絡み、警察、新聞社、地元ヤクザ、建設業者、みんなが誰もが知り合いのしがらみの中で、主役は東京から来たカメラマンというのが、まずポイント。 しかも、町は空港建設賛成派と反対派で真っ二つに住民対立が起こっているという設定。 

 んで、主役のカメラマンの恋人にも魔の手が・・・・というハラハラドキドキのストーリーと、二転三転する推理劇で、さすがの香納ワールドにどっぷり浸れます。

 そして、事件を解決したはカメラマンは西部劇のガンマンのように、この街を去っていきます。
 
 このカメラマンという仕事の描写も見事なら、その仕事っぷりが事件解決と哀愁の結末へとなだれ込むわけですなぁ。この、男たちの別れと主人公のベストショットは冒頭描写からの伏線が効いていて、なんで本の題名をわざわざ改題したのかよく解ります。

 いやね、ネタバレになるので詳しくは言えませんが、ラストのラストまで香納節の泣かせる男の詩(うた)が炸裂し、余韻でウィスキー飲みたくなるのは小生だけでしょうか。

 ちょっと悲しい結末には賛否両論あるようですが、しかし某登場人物夫婦にはホッとするような希望の結末も待っています。(いや、ホントネタバレしないように言わなきゃ無いので、ミステリーってまどろっこしいい。)

 それにしても、今回も機内の轟音の中で、SONY Readerで読書したんですが、デジタル書籍よりも紙の質感が好きな小生ですが、この時ばかりは、デジタルって便利です。みんなが寝静まった中でも自主電源でライトがあるので、まわりに気兼ねしないで読書できるわけ。



 それにしても、シングルモルトウイィスキーを準備しおいて、読んだ暁には一杯やるにもってこいのミステリーと言えるでしょう。


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