角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

「日本漁船、ロシアEEZ内で拿捕」のニュースで思う“あの”こと

2019-02-06 20:58:16 | 時事問題

 今月2日、島根県の漁船がロシアのEEZ内での違法操業の疑いで拿捕されてしまいました。

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「連行の島根漁船、書類所持せず ロシア当局、行政処分を視野」
 共同通信 2月4日配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190204-00000125-kyodonews-int

 【ウラジオストク共同】日本海で操業していた島根県のカニ漁船「第68西野丸」がロシアの警備艇に連行された問題で、同国の警備当局者は4日「漁船は、ロシアの排他的経済水域(EEZ)での操業に必要な書類を所持していなかった」と述べ、罰金の行政処分を視野に捜査していることを明らかにした。

 当局者によると、漁船を調べたところ、冷凍と生のカニ計数トンが見つかった。一部はロシアのEEZ内で漁獲された可能性があるとみて、乗組員への聴取を続ける。

 菅義偉官房長官は4日の記者会見で「人道的観点から乗組員と船体が早期に帰港できるようロシア側に働き掛けたい」と述べた。

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 操業に必要な書類(事前申請)も無かったみたいで、これはやむをえない件かなと思います。漁船にGPS整備されていたのか、故意に他国EEZ内に侵入したのか、これから判明するとは思いますが、国際法に照らし合せて、非は日本漁船側にあったのですから、罰金程度で穏便に済むことを願うばかりです。

 



 

 さて、本事案をみるにつけ、小生はやっぱり「あの件」のことを思い出さずにはいられません。

 
(ホントは何やってたんだか? 北の工作船には偽ドル札積んでいたとか、日本へ亡命しようとした北高官を取り押えに行ったとか様々な推測がされています。ともかくよほど日本に見られたくなかったのは確実)

 日本のEEZ内にて、某半島の南北両国家が許認可権を有する我が国へ断りもなく侵入し、レーダー照射したばかりか、逆に我が国へ謝罪を要求するという、まさに絵に描いたような「盗人猛々しい」案件を。

 まるで、人の家の庭に侵入した隣家の住民が傍若無人の振る舞いをし、注意したにもかかわらず、逆に狂人のようにわめき、ドン引き(日本が)したようなものです。

 今回のロシア当局の対応を見習うなら、海上自衛隊と海上保安庁にて海域を封鎖し、南北両船舶を拿捕したとしても何ら文句を言われる筋合いではなかったはず。

 
(レーダー照射事件現場:明らかな日本のEEZ内)

 

しかし、甘いと言われれば甘いのでしょうが、日本は常に大人の態度で対応しました。

今回のロシア案件でも国民世論は一方的にロシアを非難することは無く極めて冷静です。

 

小生はこのような日本国民の高い「民度」に誇りを抱く者です。

 

 いずれにせよ、政府は一刻も早く漁船の皆さんを島根の家族のもとへ返してしてもらえるようロシア側へ強く促してもらいたいものです。


「死に山」 20世紀最後の謎「ディアトロフ峠事件」の真相を解く圧巻のドキュメント!!

2019-02-04 16:37:25 | 自分的名著

「ディアトロフ峠事件」・・・これを小生が初めて知ったのは、夕飯時に子供がなにげにつけていたテレビで紹介されていのを見たから。今から数年前。

 ちょっと自分でも調べてみたのですが、冬山での遭難事故は多々あれど、これほど奇怪で残酷な事件はまずないでしょう。ちなみにそのテレビでは犯人は“雪男”と結論付けられていた(笑)のでした。

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「死に山」世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相

 ドニー・アイカー著 安原和見訳 

川出書房新社ホームページ↓↓↓
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309207445/

世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》──

その全貌と真相を描く衝撃のノンフィクション!

 

1959年、冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた遭難事故。

登山チーム九名はテントから一キロ半ほども離れた場所で、

この世のものとは思えない凄惨な死に様で発見された。

 

氷点下の中で衣服をろくに着けておらず、全員が靴を履いていない。

三人は頭蓋骨折などの重傷、女性メンバーの一人は舌を喪失。

遺体の着衣からは異常な濃度の放射線が検出された。

 

最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」と語るのみ――。

地元住民に「死に山」と名づけられ、事件から50年を経てもなお

インターネットを席巻、われわれを翻弄しつづけるこの事件に、

アメリカ人ドキュメンタリー映画作家が挑む。

彼が到達した驚くべき結末とは…!

(ホームページより)

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 さて、本書は事件の科学的合理的な真相解明に、著者のドニー・アイカーが挑むのですが、謎解きもさることながら、作者自身も「何故、自分自身、この異国の事件にこれほどとりつかれているのだろう?」と自問自答します。
 
 貯金を崩し、クレジットカード限度額まで使い切り、ロシアへ渡り関係者たちへのインタビューだけでなく、危険極まりない冬のシベリアの遭難事件現場へまで赴くのです。ただ資料を集めて謎を解き明かすのではなく、それこそ昔の刑事のように足で情報を取るその鬼気迫る情熱が紙媒体を通してひしひしと感じられるドキュメントの傑作と言っても過言ではないでしょう。


(奇怪な遭難死を遂げたディアトロフ・トレッカーチーム)

 ともすれば退屈になりがちなドキュメントを次の三つに分けて再構成していることも大きな成功につながっていると思います。

 ①遭難する登山チームの目線を通して、出発から遭難に至るまでの詳細なリポート(遭難直前)。

②遭難後の捜索・事件捜査関係者の視点でその苦闘と打ち切りになるまでのリポート(遭難直後)。

③著者の2度にわたるロシアでの取材及び総括(現代)。

  この三部構成が年代順に並べられているのではなく、交互に時代を行ったり来たりとすることで、徐々に緊張感が高まり、悲劇へと突き進む息苦しさと同時に、まさに“閉ざされた冬山で起きた密室大量殺人”の謎を解き明かす知的な興奮をも同時に盛り上げる仕掛けとなっています。

  ただし、小生の読後の率直な感想を言わせてもらえれば、何だかまだ「モヤモヤ感」が残ることは否めません。何というか、これで「完全解決」と言いきってしまうには、まだ何か決定的な確証が弱いと思うのです。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、著者と学者がたどり着いた結論は論理的には辻妻は合うのでしょうが、事件現場での科学的な実験を経ておらず、やっぱそこが弱いと思うのです。

 UFO、雪男、ソ連軍の陰謀等多々ある説は論外だとしても、やはりキャリアのある9名のトレッカーが、靴も履かず、着のみ着のまま、―30℃の夜の冬山へとテントから逃げ出したのです素人でも数分で死に至ることが解るのに、ましてその道の専門家集団です。「何が彼らにそうさせたのか?」という部分の章はもう少し情報量があっても良かったかなと・・・ない物ねだりでしょうか?後に現地での科学的データと共に再販されれば、それこそ決定版になるのではないでしょうか。


ディアトロフ峠遭難者慰霊碑 ロシア、エカティリンブルグ市

 

 最後に、本書を読む前にちょっとアドバイス。

 ・ミステリー好きな方なら、複雑な登場人物の説明と、事件現場の地図を巻頭に戻って何回も見直すはず。まして本書は読みづらいロシア名のオンパレード。なんと巻末に全登場人物名と解説載ってます。小生は読後気が付きました。失敗した・・これで数時間ロスしました。

 ・最後の事件の謎解き編の章に入ると、あの「シャーロック・ホームズ」の有名な推理理論に則って事件解決を試みることが高らかに宣言されます!! 曰く・・・

When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth.(「白面の騎士」1926年より)

 シャーロキアンは歓喜することでしょう!!

 ・そして、新郷村民注目!! 現在、教育委員会前の「新刊書」コーナーに本所貸出中!!

 飲み過ぎて、おこずかいの少なくなった諸氏は急いでgetするべし。ちなみに本書価格は2538円なり!!

・夜に読み始めるなかれ!! 徹夜必死!!