GSゲルマニウム原人の退屈な日々

見わたせば、気になることばかりなり・・

ブルースセッションでもどう?

明日の講談カタログ

2008年05月09日 09時22分27秒 | 徒然なるままに
錦糸町ぶらぶら寄席の別冊企画♪「明日の講談カタログ」

日本には現在約60名ほどの講釈師がいるそうです、しかもその半数近くが女性。もともとが軍物の口演から始まった芸ですが女性率が高くなったので演目などもだいぶ変わってきたかも知れません。

月一とは言え定席として「錦糸町ぶらぶら寄席」が始まり、今年に入ってから落語と講談などの組合せも試みた所その出演者の神田京子さんが講談の出来る場所がもっと欲しい!とこの企画を持ってきてくださいました。
ですから月に1回の寄席と、もう1回講談専門の「別冊」が昨夜から始まったわけです。

さすがにまだ1回目なのでお客様は神田京子さんのご主人(詩人の桑原滝弥さん)も動員されています。ここから昨夜のお客様が「講談面白いよ、良いよ」とお友達を誘って来てくれるようになれば嬉しいですね。

今回の出演は急遽出演の決まった前座の神田松之丞さん、まだ入門数ヶ月ということで、とにかく高座になれる事が目的。失敗をおそれずに「宮本武蔵・箱根山中狼退治」をいきなり始めて見事に討ち死に♪続いて「三方原戦記」に変更……見事に討ち死に♪
でも、いいんです、とにかく講談は定席と言えるような物がとても少なく入門したてでやっと名前をもらったような前座さんは演じる場所もない。落語の寄席もそうですが前座さんは経験値を積む為の場所が寄席ですから、温かい目で応援しましょう。将来名人に出もなった日には、「あの時はね~5分で二回即死だったけどさ」っていう冗談が言える特典がお客にはあるんです。

日本講談協会の広報部・神田京子さんは「秋色桜」
上野の観音堂横にある桜の木の由来話です、人情話・孝行話の俳人・菊后亭秋色のお話。もともと菓子職人の娘だった「お秋」の日本橋小網町の実家は今では港区三田の慶応のすぐ側で「大坂家」として今でも和菓子屋をやっています。(毎日横を通って出勤)
良いお話でした……芭蕉十哲の宝井其角がお秋の師匠として出てきますこのアル中の俳人は初めの頃は榎本其角を名乗っていたのでご先祖様♪
もう一席はなんと「カルメン」

初登場の神田織音さん、京子さんの袴姿に対して織音さんは着物姿で。

「仙台伊達藩・鬼夫婦」はきりっとした武家の奥方の雰囲気がとても良く短編の時代劇を見ているような印象。さすが剣道二段は伊達じゃない……ってシャレか?

トリの一席は「花瓶の思いやり」これはかつて私も読んだことがある短編の「ちょっといい話」的なものを講談に仕上げていて優しいいい話でした。

どちらの演者も女性であることを充分に利用して、それにあった良い演目で語ってくれました。講談というと「パパンパンパン」で早口で合戦の実況中継のようなものというイメージを持ちがちですが、しっとりとしたいい話も実に多い。女性講談師を積極的に受け入れてくれた先代神田山陽の功績は非常に大きいと思います。

まだまだ出演者とお客様で作って行かなくては成り立たないような小さな会ですが、きっといつかは上野本牧亭や浅草木馬館に引けを取らないような「錦糸町ぶらぶら寄席」に成れるように皆さんの応援をお願いします。

次回は6/6に「明日の講談カタログ」は開催されます、出演はおなじみ神田京子さんと関西から旭堂南湖さん。
このブログを覗いてくださった方!ホントだまされたと思って一度錦糸町に来てください!掛け値なし、正札付きで「講談ってこんなに良いもんだったんだ」と思えます
コメント
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