GSゲルマニウム原人の退屈な日々

見わたせば、気になることばかりなり・・

ブルースセッションでもどう?

Vは敵討ちのV(vendetta)

2006年10月25日 08時34分11秒 | 徒然なるままに
そろそろ10/31ハロウィンの準備です。

一言で言うと、ハロウィンとは西洋版「お盆」のようなものですが。
英語で言いますと「Halloween」は、「All Hallows' Eve」ともいわれ、 キリスト教の聖人を祝う万聖節(All Saint's Day=11月1日)の前夜祭と言う意味ですね。

ハロウィンは「古代ケルト」と「古代ローマ」そして「キリスト教」の3つの文化が融合して生まれたもので、現代では宗教的意義は忘れられ、特にアメリカでポピュラーな民間行事として定着しています。

もともとハロウィンは、現在のイギリス・アイルランドに住んでいた古代ケルトの大晦日の夜に由来しています。
古代ケルトの暦では11月1日から10月31日が1年とされ、新年の11月1日は夏が終わり、暗く寒い季節に入れ代わるこの日、恐ろしい災いを引き起こす神々が人間の前に現れると信じられ、古代ケルト人は、この神々をなだめるためには、いけにえを捧げなければならないと信じていました。
さらにローマ人のブリテン島侵略によって古代ローマの「果実の収穫祭」が融合していったと言われ、次にキリスト教が伝来し、キリスト教のすべての聖人と殉教者を記念する11月1日の万聖節が中世のイギリスでは「All Hallows」として知られるようになっていきます。
この前夜祭がAll HallowsのEve、すなわちHalloweenですね。

新しい文化を受け入れさせるには、伝統行事を廃止せず、伝統行事に新しい意味を与えることで統合してゆく方がスムーズですから、万聖節をこの時期に したのはキリスト教(カトリック)の戦略とも言われています。

こうして長い歴史の中で、古代ケルトの儀式とローマの祭り、そしてキリスト教の万聖節前夜祭が混ざりあい、徐々に現在の世俗的行事、ハロウィンとなっていったのです。

アメリカでは アイルランド系移民が中心となって、ハロウィンの習慣がアメリカに持ち込まれ、19世紀に定着しました。初期の頃は、ハロウィンに便乗した少年や青年のいたずらがひどく、深刻な問題になったこともありましたが、徐々に仮装 してお菓子をねだる子供の行事という現在の姿に変化していきました。

大きなカボチャをくりぬいて中に灯をともした『jack-o'-lantern(ジャック-オ-ランタン)』(カボチャ提灯)を飾り、子どもたちが仮装をして「Trick or treat?」 (お菓子をくれないと、いたずらするよ) と言って家々をまわったりする主に子供の行事ですが、大人も仮装パーティーなどを催して楽しんでいます。
『jack-o'-lantern(ジャック-オ-ランタン)』も、もともとはアイルランド人のけちで酒飲みでずるがしこい男が悪魔との契約で魂を取る取らないと言うような伝説から来ているようでこの男が地獄からの帰りに道に明かりとして持っていたのが「蕪(カブ)」でつくった提灯だったそうです。それが死者のシンボルと変化していき、アメリカにこの伝説が伝わった時点でアメリカ産の大きなカボチャで造るようになったと言うことですね。

逆にイギリスの場合、イギリス起源であるにもかかわらず、ハロウィンはアメリカからの輸入行事のように受け止められています。
実はイギリスでは、11月5日のガイ・フォークス・デーの方がはるかに一般的です。
ガイ・フォークス・デーとは1605年の国会爆破未遂事件、カトリック教徒のガイ・フォークスらが、プロテスタント政権(ジェームズ1世)に不満をもち、国王の暗殺をねらって国会議事堂を爆破しようとしたが、11月5日に事前に発覚し未遂に終わった事件がありました、日本の大塩平八郎とか由井正雪のようなものでしょうか?(ガイは翌年首吊り・内臓抉り・四つ裂きの刑で処刑)。この「ガイ」が語源で「タフガイ」など男性に使われる呼び名にもなっています。

この日を記念して、花火をあげ、大きなかがり火をたいてガイ・フォークスの人形を焼くという行事が行われるのがガイ・フォークス・デーです。11月5日が近付くと、子供たちはぼろ布などでガイ・フォークス人形を作り、"Penny for the Guy?"(ガイのために小銭を)と通行人にねだります。
また、最近ではハロウィンもごちゃまぜになり、"Treck or treat? "と言って家々をまわり、お菓子や小銭をあつめたりする子供もいます。

今となってはお祭りとして日本などでも盛り上がっていますが、もともとはこんな意味や伝説があるそうです。
せっかくですから、ちょっと知っておくのも良いんじゃないでしょうか?

コメント (3)
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