GSゲルマニウム原人の退屈な日々

見わたせば、気になることばかりなり・・

ブルースセッションでもどう?

King of heart

2005年09月06日 09時18分21秒 | 徒然なるままに
懐かしい作品

70年代に良くTVの映画番組、それも深夜枠で放送されていた映画がまさかのDVD化されていて熱帯密林で購入!
「どんな映画が好き?」って人に聞かれた時に必ず言うベストスリー(別にベストテンでも良いけど)ってあるでしょ?私は

1位:道(La Strada)フェリーニ監督作品 フェリーニは大大好きだ!ほぼ全作品見てるかな「道」20回以上見た。

2位:真夏の夜のジャズ バート・スターン監督作品 いわゆる音楽ライブ記録映画だけど音楽の記録より映像の美しさが素晴らしい!いわゆるJAZZマニアではない私にはマヘリア・ジャクソンや若造のチャック・ベリーが見れるのも嬉しい。じつはチコ・ハミルトン・クインテットのベーシスト、ネイサン・ガーシュマンが楽屋のような所でバッハの無伴奏チェロを弾いてる画面は秀逸!

3位:まぼろしの市街戦 フィリップ・ド・ブロカ監督作品

(日本映画では1位:洲崎パラダイス・赤信号:川島雄三作品 2位:ガメラ 大怪獣空中決戦:金子修介作品 3位:どですかでん:黒澤明作品・・・これはまた別の機会に♪)

そ!今回手に入れたのがこの映画。まぼろしの市街戦
いまではほとんどTV放送されることはない、なぜなら第一次大戦下のフランス、ドイツ軍と英国軍のしのぎ合いの中、無人になった町の精神病院の患者達が主人公だから。当時のせりふの中に吹き替えでは放送禁止扱いの表現がかなり出てきてしまうのも一つの理由かも。しかし、1967年作品で公開当時はさほど話題にならなく、失敗作品扱いだったらしいが70年代ベトナム戦争の頃にいわゆるヒッピームーブメント的なベトナム反戦運動の中で象徴的なものとして脚光を浴びた作品なのだ。

奇妙なうたげを繰り広げる患者達に主人公の兵隊が「狂ってる」と言う、しかし患者から「戦争をする人間が、人を殺す人間が正気ですか?」と言われ言葉を失う。コメディのフランス映画なのだけど、また、吹き替え版では広川太一郎が吹き替えてるので絶妙に面白いのだけど、今回改めて見直してもやはり優しさにあふれた反戦思想、フラワーチルドレン達が愛した作品というのは納得がいきます。まぁ、結局は戦闘を放棄して逃げていってしまうというぬるい反戦といえばそうなんだけど、映画全体の雰囲気がサーカス的な美しさに彩られているので積極的な反戦表現は似合わないと思う、なので、これはこれで正解と。

TV版のラストシーン全裸で鳥かごを抱えた主人公が患者達が自ら戻っていった精神病院の門の前に立っているシーン、この場面は70年代反戦運動のモニュメントとしてもかなり使われていた。しかし、今回完全版を手に入れて始めてその後のラストシーンがあることを知った、ま、非常に短い病院内でのその後のエピソードなのだけど、もしTV版でここまで放送したらこれほど印象には残らなかったかもしれない。

とにかく、なんといわれようと、この3作品は私のベストなのだ!

・・・ところで、DVDになって吹き替え版も入ってるんだけど、例の放送禁止用語までカットしなくても良かったんじゃないかなぁ~字幕版では広川太一郎や雨森雅司、大平透の名人技は聞けないしねぇ、そこんとこ微妙!
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする