三重県を訪問中の天皇、皇后両陛下は18日、伊勢神宮(同県伊勢市)の外宮と内宮で、今月末の天皇陛下の退位を報告する「親謁の儀」に臨まれた。

 両陛下の神宮訪問は2014年3月以来で、即位後では5回目。訪問に当たり、天皇陛下は皇位の象徴とされる「三種の神器」のうち剣と璽(じ)=勾玉(まがたま)=を皇居から持参した。

 モーニング姿の天皇陛下は午前10時45分ごろ、外宮の「正宮」に車で到着。剣と璽を持つ侍従らと共に真剣な表情で正殿の前へ進み、玉串をささげて拝礼した。

 白い参拝服姿の皇后さまも陛下に続いて正宮を訪れ、正殿の前で拝礼した。儀式には、神宮祭主を務める両陛下の長女、黒田清子さんが立ち会った。

 午後1時半すぎからは、天照大神を祭る内宮でも、同様に親謁の儀が行われた。両陛下はこの後、近鉄宇治山田駅発の臨時列車で志摩市へ移動。市内のホテルに宿泊し、19日午後に帰京する。