景品表示法の制限を超える高額景品を提供し、新聞購読の勧誘をしていたとして、大阪府は19日、産経新聞社(東京)と大阪府内の系列2販売店に対し、同法に基づき再発防止を求める措置命令を出した。府は、産経新聞大阪本社(大阪市浪速区)で組織的に高額景品提供が行われていたと判断した。

 販売店は、「若江岩田・花園専売所」(大阪府東大阪市)と「松原南専売所」(同府松原市)。

 府の発表によると、産経新聞大阪本社販売局には取引業者のファクスが置かれ、直営店を含む各販売店から景品の発注を受けていた。代金は、同社が業者に立て替え払いした後、販売店に請求していた。

 同法に基づく告示は、購読料に見合わない高額景品の提供を制限している。産経の景品には、その上限を大きく上回る約8万1000円相当の電動アシスト自転車などが含まれていた。府は両専売所について、高額景品の件数が多いことや、長年にわたり提供していたことが悪質としている。

 産経新聞販売店を巡っては、高齢者などから「解約を申し入れたが、高額景品の代金支払いを求められ、応じてもらえない」といった苦情が相次ぎ、府は2月13日、大阪本社に対し同法に基づく立ち入り検査を行っていた。

 命令を受け、産経新聞社は19日、販売担当の扇谷英典取締役を減俸3か月(25%)の懲戒処分とした。同社広報部は「深くおわび申し上げます。命令を真摯しんしに受け止め、本社および販売店におけるコンプライアンスの徹底、監督体制の強化を図り、信頼回復に向けて全力を挙げてまいります」とするコメントを発表した。