ソフトバンク(SB)は8日、ヤフーを連結子会社化すると発表した。約4565億円を投じて、ヤフーが実施する第三者割当増資を引き受け、出資比率を6月下旬に現在の約12%から約45%に引き上げる。通信事業の競争が激化する中、両社の経営資源を融合してデータビジネスなど非通信事業を強化する。

 SBとヤフーはともにソフトバンクグループ(SBG)子会社だが、SBGはヤフーの自己株式の公開買い付けに応じ、出資比率を約36%からゼロにする。SBの宮内謙社長は「兄弟と親子関係は全然違う。協業で相乗効果を上げやすくなる」と強調した。

 SBは、ヤフーの連結子会社化で令和2(2020)年3月期の連結最終利益が前期比3・0%増の4800億円になる見通し。売上高は2・1%増の4兆8千億円、営業利益は3・5%増の8900億円を予想する。さらに、新領域での事業拡大などを通じ、宮内社長は「3〜5年以内に営業利益1兆円企業にしたい」と語った。

 一方、通信料金と端末代金を分ける「分離プラン」の義務付けに伴い、NTTドコモを皮切りに各社の通信料金値下げが相次ぐ見通しだが「今の状況をみる限り、微修正で対応できる」と述べた。

 その上で、「ガラケー」と呼ばれる従来型の携帯電話からスマートフォンに機種変更すると、1年間限定で月980円からの料金で利用できるプランを6月に導入する予定だ。