2001年9月11日に発生した米同時多発攻撃を時系列でまとめた図(2021年8月25日作成)。(c)SABRINA BLANCHARD, GAL ROMA / AFP
(AFPBB News)
【AFP=時事】2001年9月11日に発生し、2977人が死亡した米同時多発攻撃から今年で20年を迎える。
国際テロ組織アルカイダのメンバーらが旅客機4機をハイジャックして起こしたこの事件は、米本土が過去約200年で初めて受けた国外勢力による本格的な攻撃となった。
事件を機に米国の「安全神話」は崩れ、西側諸国はアフガニスタンでの戦争に突き進んでいった。
ハイジャックされた旅客機のうち2機はニューヨークの世界貿易センターに突入し、2753人が死亡した。
3機目は国防総省の本庁舎に突入し、184人が死亡。
4機目は、乗客らがハイジャック犯に立ち向かった末、ペンシルベニア州シャンクスビルの草原に墜落。40人が死亡した。
ここでは9.11委員会の報告書などを基に、米国の歴史の流れを変えたこの事件の当日の出来事を時系列で追っていく。
■午前8時46分 1機目が世界貿易センタービル北棟に突入
乗客乗員92人(ハイジャック犯5人を含む)を乗せたボストン発ロサンゼルス行きのアメリカン航空11便ボーイング767型機が、世界貿易センタービルの北棟に突入。
衝撃で上層階の側面に大きな穴が開き、濃い煙が上がった。
■午前9時3分 2機目が南棟に突入
乗客乗員65人(ハイジャック犯5人を含む)を乗せたボストン発ロサンゼルス行きのユナイテッド航空175便ボーイング767型機が世界貿易センタービルの南棟に突入し、大きな爆発が起きた。
■午前9時5分 大統領へ報告
訪問先のフロリダ州の小学校で児童らとの読書会に参加していたジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)に首席補佐官が、米国が攻撃を受けていると知らせた。
■午前9時30分 大統領が声明
ブッシュ大統領は小学校で短い声明を発表し、航空機突入が「テロリストの攻撃とみられる」と述べ、「これらの行動を起こした者たちを追い詰めて見つけ出す徹底的な捜査」を命じた。
■午前9時37分 3機目が国防総省に突入
乗客乗員64人(ハイジャック犯5人を含む)を乗せた首都ワシントン郊外ダレス発ロサンゼルス行きのアメリカン航空77便ボーイング757型機が、ワシントン郊外にある国防総省本庁舎の西側正面に突入した。
■午前9時42分 全航空機に着陸命令
米連邦航空局は米国を飛行中の全航空機に対し、速やかに着陸するよう命令。FAAはこれに先立ち、全航空機の離陸停止を命じていた。
■午前10時前 南棟が崩壊
衝突からおよそ56分後、世界貿易センタービルの南棟が大量の煙とほこりを上げて崩壊した。
■午前10時3分 4機目が墜落
乗客乗員44人(ハイジャック犯4人を含む)を乗せたニュージャージー州ニューアーク発サンフランシスコ行きのユナイテッド航空93便ボーイング757型機が、ペンシルベニア州シャンクスビル近郊の草原に墜落。乗客と乗員らは墜落前に他の航空機の突入を知り、ハイジャック犯に立ち向かっていた。
■午前10時28分 北棟が崩壊
衝突からおよそ1時間42分後、世界貿易センタービル北棟が崩壊。ロウアーマンハッタンは大量の煙とほこりに覆われた。
■午後8時30分 大統領が演説
ブッシュ大統領はホワイトハウスの大統領執務室で演説を行い、「邪悪で卑劣なテロ行為」だと攻撃を非難。被害者が数千人規模だとの見解を示すとともに、米政府が「これらの行為に関与したテロリストと、その者たちをかくまった者を区別しない」と表明した。 【翻訳編集】AFPBB News