乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の患者の報告数は、今月6日までの1週間で4900人余りと、秋からの流行期を前にしたこの時期としては異例の多さとなっていて、国立感染症研究所が対策の徹底を呼びかけています。

RSウイルス感染症は、発熱やせきなど、かぜに似た症状の出る病気で、おもに、秋から冬にかけて乳幼児を中心に流行し、初めての感染では肺炎や気管支炎を引き起こし、重症化することがあります。

国立感染症研究所によりますと、全国およそ3000の小児科の医療機関で、今月6日までの1週間に新たに、このRSウイルス感染症と診断された患者は4934人でした。

これは、過去10年間で最も多かった4年前の4倍余りと、この時期としては異例の多さで、例年、流行が始まるとされる10月から11月と同じ水準になっています。

都道府県別では、東京都が最も多く583人、次いで、神奈川県が519人、大阪府が400人、福岡県が374人などと、感染は、大都市を中心に広がっています。

国立感染症研究所の木村博一室長は、「ことしは春から患者数が多かったが、今の水準を考えると、前倒しで流行が始まっていると考えられる。大都市圏でも、特定の保健所の管内で突出して多いところがあり、感染の拡大に注意が必要だ」として、マスクの着用や手洗いなどの対策を徹底するよう呼びかけています。