トランプ氏への配慮から一転、ペンス副大統領がマスク着用呼びかけ
【ワシントン=海谷道隆】米国のペンス副大統領は28日、視察先の南部テキサス州での記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、国民にマスク着用を呼びかけた。公の場でのマスク着用に否定的なトランプ大統領への配慮から、ペンス氏はこれまで積極的にはマスク着用の必要性を訴えていなかった。
テキサス州は経済活動の再開後に感染拡大が加速し、再び規制の強化を余儀なくされている。ペンス氏はマスク姿で飛行機から降り立ち、マスク着用の必要性を自らアピールする姿勢を示した。記者会見では「感染が拡大している地域では、全ての人にマスク着用を勧める。社会的距離を保てない時に着用するのは良い考えだ」と語った。
トランプ氏の影響で、多くの支持者は着用に消極的とされる。トランプ氏が20日に南部オクラホマ州で開いた屋内での選挙集会では、大半の参加者がマスクを着けていなかった。
民主党は、マスク姿を見せることを拒むトランプ氏に対し、「大統領は模範となるべきだ」(ナンシー・ペロシ下院議長)などと批判を強めている。