南太平洋の絶海の孤島がごみため化、科学者がプラごみ問題に警鐘
2019/07/30 22:46AFPBB News
南太平洋の絶海の孤島がごみため化、科学者がプラごみ問題に警鐘
南太平洋に浮かぶヘンダーソン島の浜で、ごみが散乱する中を歩くアオツラカツオドリ。ニュージーランドのニュースサイト「Stuff」提供(2019年6月10日撮影、7月30日入手)。(c)AFP / IAIN MCGREGOR / STUFF
(AFPBB News)
【AFP=時事】南太平洋に浮かぶ無人島に世界中からプラスチックごみが漂着し、かつて宝石にも例えられた島がごみためと化している。科学者らは、プラスチック製品を使い捨てにする習慣が続く限り、この島を救う手立てはほとんどないと訴えている。
ヘンダーソン島は、英国が領有する無人の環礁で、ニュージーランドとペルーの間、それぞれ5500キロメートル程離れた位置にある。
だがこの島は、絶海の孤島であるにもかかわらず、地形と海流の条件が相まって、プラスチックごみによる汚染が世界で最もひどい場所の一つとなっている。
オーストラリアに拠点を置く海洋科学者で、6月に調査団を率いて同島を訪れたジェニファー・ラバーズ氏によると、「ボトルや容器、さまざまな釣り具」が「ドイツ、カナダ、米国、チリ、アルゼンチン、エクアドル」をはじめ、ありとあらゆる国々から流れ着いているという。
同氏は「これはすべての国々が、こんな辺境の場所でも、環境を守る責任があるという重大なメッセージだ」と語った。
同島は、オーストラリアの東海岸を南下し、さらに南米大陸の西海岸を北上する巨大な海流「南太平洋環流の中心に位置する。1988年には非常に豊かな生態系が認められ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。ユネスコは当時、手付かずの楽園だとしてこの島を称賛していた。
だがその30年後、海流がプラスチック片を絶え間なく波に乗せて同島の岸辺へと運ぶベルトコンベヤーの役割を果たし、島はいわゆる南太平洋ごみベルトの中心となってしまった。
ラバーズ氏が2015年、同島へ初めて調査団を率いて訪れた際、イーストビーチと呼ばれる浜辺では、1メートル四方当たり、約700個のプラスチックごみが存在すると判明。この数字は世界でも最も高いレベルの密度を示しているという。
先月行われた最近の調査でラバーズ氏は清掃活動を企画し、清掃チームは2週間にわたって浜辺からプラスチックごみ6トンを回収。だが多大な労力を費やしても、清掃した場所にはすぐに新たなごみが漂着するのを目にし、「悲痛」な思いだったという。
2020年と2021年にも同島への訪問を計画しているラバーズ氏は、こうした経験について、清掃活動が海洋汚染危機に対する長期的な解決策になり得ないという事実を明確に示すもので、「問題の根源を断つことの重要性を証明している」と指摘。使い捨てのプラスチック製品に対し、より厳しい制限を設定するようを提言し、「海にはもうすでにこんなに大量のごみがあり、これ以上の流出を防ぐためにできることはすべてやる必要がある」と語った。 【翻訳編集】AFPBB News
2019/07/30 22:46AFPBB News
南太平洋の絶海の孤島がごみため化、科学者がプラごみ問題に警鐘
南太平洋に浮かぶヘンダーソン島の浜で、ごみが散乱する中を歩くアオツラカツオドリ。ニュージーランドのニュースサイト「Stuff」提供(2019年6月10日撮影、7月30日入手)。(c)AFP / IAIN MCGREGOR / STUFF
(AFPBB News)
【AFP=時事】南太平洋に浮かぶ無人島に世界中からプラスチックごみが漂着し、かつて宝石にも例えられた島がごみためと化している。科学者らは、プラスチック製品を使い捨てにする習慣が続く限り、この島を救う手立てはほとんどないと訴えている。
ヘンダーソン島は、英国が領有する無人の環礁で、ニュージーランドとペルーの間、それぞれ5500キロメートル程離れた位置にある。
だがこの島は、絶海の孤島であるにもかかわらず、地形と海流の条件が相まって、プラスチックごみによる汚染が世界で最もひどい場所の一つとなっている。
オーストラリアに拠点を置く海洋科学者で、6月に調査団を率いて同島を訪れたジェニファー・ラバーズ氏によると、「ボトルや容器、さまざまな釣り具」が「ドイツ、カナダ、米国、チリ、アルゼンチン、エクアドル」をはじめ、ありとあらゆる国々から流れ着いているという。
同氏は「これはすべての国々が、こんな辺境の場所でも、環境を守る責任があるという重大なメッセージだ」と語った。
同島は、オーストラリアの東海岸を南下し、さらに南米大陸の西海岸を北上する巨大な海流「南太平洋環流の中心に位置する。1988年には非常に豊かな生態系が認められ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。ユネスコは当時、手付かずの楽園だとしてこの島を称賛していた。
だがその30年後、海流がプラスチック片を絶え間なく波に乗せて同島の岸辺へと運ぶベルトコンベヤーの役割を果たし、島はいわゆる南太平洋ごみベルトの中心となってしまった。
ラバーズ氏が2015年、同島へ初めて調査団を率いて訪れた際、イーストビーチと呼ばれる浜辺では、1メートル四方当たり、約700個のプラスチックごみが存在すると判明。この数字は世界でも最も高いレベルの密度を示しているという。
先月行われた最近の調査でラバーズ氏は清掃活動を企画し、清掃チームは2週間にわたって浜辺からプラスチックごみ6トンを回収。だが多大な労力を費やしても、清掃した場所にはすぐに新たなごみが漂着するのを目にし、「悲痛」な思いだったという。
2020年と2021年にも同島への訪問を計画しているラバーズ氏は、こうした経験について、清掃活動が海洋汚染危機に対する長期的な解決策になり得ないという事実を明確に示すもので、「問題の根源を断つことの重要性を証明している」と指摘。使い捨てのプラスチック製品に対し、より厳しい制限を設定するようを提言し、「海にはもうすでにこんなに大量のごみがあり、これ以上の流出を防ぐためにできることはすべてやる必要がある」と語った。 【翻訳編集】AFPBB News