教育落書き帳

教育とは何か…子どもの視点を尊重し、親、伴走者、市民の立場から語ります。子どもを語ることは未来への信頼と希望を語ること。

官民連携による不登校セミナー(1) 民間主導から官民連携への流れについて

2012年08月20日 | 不登校
官民連携による不登校セミナー(1)民間主導から官民連携への流れについて

▼埼玉県の教育委員会と県内の2つの親の会、3つのフリースクールが一堂に会して進めてきた《不登校の親御さんのための不登校セミナー》の開催に関する官民連携会議が、3回の討議を重ね、ようやく9月17日(月、敬老の日)に開催する運びとなった。フリースクール・ぱいでぃあも昨年に続き会議のメンバーに名を連ねたとはいえ、他の民間の諸団体の参加を得て如何に多くの参加者を募ることが出来るかという、全くの縁の下の力持ち、人形が命を得て生き生きと動き回るための黒子徹した役割である。


私達が《ニコラの会》を立ち上げ、月刊教育雑誌『ニコラ』を発刊したのが1995年であったから、当時からかれこれ17年ほど経過したことになる。その当時はまだ県の不登校対策は皆無であり、私立学校においても不登校となった子どもは成績がどうのと言う前にケンモホロロの門前払いであった。『ニコラ』が取材した県の教育センターでも、不登校となるのは本人の精神上の問題であり、不登校の子どもは子どもの情緒障害と分類されていたのである。


あれから17年。主に民間が主導になってフリースクールや親の会を立ち上げ、不登校の子ども達の精神的支援を含めた生活支援や学習支援を行って来た。それによって、たとえその子が学校には行けなくなったとしても、学校にいた時と同じように、あるいはそれ以上のケアを行いながら彼らを支え、進路を切り開いて行った。具体例をあげるなら、1996年から毎年、春と秋の2回、埼玉県と東京都において東京都や埼玉県の支援組織やスクールに呼びかけ《実践報告・進路相談会》をずっと開いてきたのである。

▼ここに来て、教育行政の側から民間の教育機関に再び呼びかけがあり、昨年に引き続き官民連携の下に主に《不登校の子どもを持つ親御さん対象のセミナー》を開くこととなった。近年、東京のチャレンジスクールや埼玉県のパレットスクールのように、それまでの民間の教育機関の活動に習い、行政の側でも不登校対策専門の高校が幾つか誕生してきている。しかし、必ずしもそれが不登校生のためになっているかといえばそうとも言えない部分も多々あり、依然として民間の教育機関に救いを求める子ども達は多い。

▼そこで、官民連携会議という名目で民間の教育機関との連携を図り、ついでにそのノウハウも手に入れたい…そんなところではないかなと正直なところ思っている。その背景には正規の全日制による教育と定時制や通信制や高卒認定試験のような本来の教育方針から外れた形での教育という二重基準を抱えるだけでなく、さらに不登校というそのどちらにも属さない生徒たちの存在があり、いわば第三の基準とも言うべき生徒達への対応に教員達の間で少なからず戸惑いがあるのではないかと思っている。正規の教育に《ノー!》と言った子ども達にどう接し、どう支援すればいいのか?既存の教育行政にはそのノウハウの蓄積がないのだから。

(つづく)
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