識者の間では、「日本の地理教育や歴史教育をどげんかせんとあかん」と言うことになるのだろうが、「ちょっと待った!」と言いたいね。これは生徒・学生たちにさらに詰め込めば解決するという問題ではないね。
ただ試験のためにひたすら覚える勉強をするという勉強のあり方を変えないと、何の解決にも繋がらないだろうね。無味乾燥にマシーンになって記憶したって時間が過ぎれば全部忘れる。子どもたちに覚えていなければならない真理的必然性なんてどこにもないのだから。日本での勉強は興味関心のありどころと勉強で記憶することがばらばら。結局、本人にとって何の学習にもなっていないのだ。
以前、テレビの「大田総理」の番組で、イラク戦争のことを論じ合っていたとき、自民党の山本太一氏がイラクがどこにあるか答えられなかった、ということがあったが、勉強不足とか頭悪すぎなどと批判する前に、本人に興味や関心がなければ誰だってああいうことになる。まあ、」彼にイラク問題を真剣に考えようという気持ちはなかったと言うことにはなるな。
だから、結局、今回の調査の結果からどういう教訓を導き出すかと言うと、(これでその人の理解の程度が分かってしまうのだが)、私流に言うならば、今までの日本の学校の勉強の仕方では、国際人を育成するどころか、地理としての空間軸も歴史としての時間軸も考えない子どもたち、もちろん現代社会の理解に繋がるはずの公民における政治・経済の理解も弁えない子どもたちを大量に吐き出しているだけだということ。
まあ、今の学校教育という教育工場からはそんな部品を生み出すことしかできないだろうな。本質的に考えることのない子どもたちの大量生産なのだ。第一、製造に携わっている人たち自身もそのレベルなのだから。