教育落書き帳

教育とは何か…子どもの視点を尊重し、親、伴走者、市民の立場から語ります。子どもを語ることは未来への信頼と希望を語ること。

今、敢えて「あたらしい憲法のはなし」を取り上げる--ぜひ一度は読んでみて!

2014年01月30日 | 日本社会
今、敢えて「あたらしい憲法のはなし」を取り上げる--ぜひ一度は読んでみて!

▼今、こういう文章を書かねばならないことをとても悔しく思う。自民党やその政権を陰陽の側面から支えてきたマスコミ等で「憲法改正」論議は起きてはいたが、現・安倍政権になってから、世論の反対の声にも何のその、問答無用で突っ走ろうとする空気が濃厚である。
 そういう人達の多くは「今の日本国憲法は時代遅れである」と言う。本当にそうであろうか。どこがどう時代遅れだと言うのだろうか?そう主張する人達の言動にも注意を払いながら、ぜひ検証してみたいものである。

▼ここに、太平洋戦争終結後の一時期、文部省自身のお墨付きによって(著作権所有 著作兼発行者 文部省)、中学校1年生用の社会科の教科書として配布された本の復刻本がある。題して『あたらしい憲法のはなし』(文部省)とある。その最初の見出しには「一 憲法」とあり、このように始まる。
「みなさん、あたらしい憲法ができました。そうして昭和二十二年五月三日から、私たち日本国民は、この憲法を守ってゆくことになりました。このあたらしい憲法をこしらえるために、たくさんの人々が、たいへん苦心をなさいました。ところで、みなさんは、憲法というものはどんなものかごぞんじですか。じぶんの身にかゝわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか。…(以下、略)」

▼本書では、日本国憲法の大事なこととして、国の「最高法規」として国のやり方を規定すると同時に、国民の権利として「基本的的人権」を取り上げています。そして、憲法の前文にも触れ、「前文にある考えと、ちがったふうに考えてはならない」と言っています。この前文にある考えとは「民主主義」「国際平和主義」「主権在民主義」の三つの考えであると。

▼先に「今、こういう文章を書かねばならないことをとても悔しく思う」と言ったのは、このことと関係があります。現在、政府と政府与党の間で「憲法改正」の動きが進んでいます。先の明治憲法(大日本帝国憲法)下で第二次世界大戦の戦禍を経験した日本が、その体験を踏まえ国際社会の一員として二度と戦争を起こさないという国際平和の祈りを込めて作り上げたのがこの「あたらしい憲法=日本国憲法」であったはず。

▼ところが、今、その憲法がなし崩し的に読み替えられ、改定されようとしています。先例として「教育基本法」の改変がありました。そして、今度は改変の本丸の日本国憲法が危機に晒されています。そして、戦前の日本への回帰さえ理想のように唱えられる。が。それは大多数の国民にとっては塗炭の苦しみであったはず。
 そこで、果たしてそれでいいのか、今一度「日本国憲法」を紐解いてみませんか?様々な小冊子が出ていますが、ここでは「童話屋版」「青空文庫版」(無料)を紹介しておきます。日本人としてどう生きるのがいいのかを考える教材としてもどうぞ。

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日本の歴史の勉強を現代から学ぶように組み換えてはどう?

2014年01月22日 | 学校教育
はぐれ雲に乗って…日々の雑感から20140122

▼宅配便の人が小包を持ってきた。会社名はサガワではない。コンシエル○○だとか。そう聞くと思い浮かべるのは「コンシェルジュ」というフランス語。ホテルでは客の要望に応じていろいろ手配してくれる大変有難い人だろうが、日本語にすると何だろう?「赤帽さん」?「便利屋さん」?「御用聞きさん」?秋葉原用語でいうならば、定めしメイドに対しての「執事」かな?この業界には、異業種が入り乱れていると言われるが、その凄まじさを実感する思いだ。

▼これは何も宅配業界だけに限るまい。時代の先端を象徴する業種はどこも「生き馬の目を抜く」状況だ。「男子三日会わざれば…」という諺があるが、年々歳々どころか日々変化し続けて止まない。スマホに「二年しばり」というのがあるが、大抵の製品は三年もするともう廃棄の対象だ。人々の生活もそれに振り回される

▼こういう時代だから、学校で教師が生徒に教えることと現実とのギャップも激しい。「学校知」が現実に対応しなくなって久しいが、そろそろ再考すべきかも。昔秀才と言われた「引きこもり」の人などを見てもそう思う。もしかして「ネットウヨ」等と言われる人にも多いかも。現実は多様であったり悲惨であったりしても、学校でつくられた自己の興味と関心だけに依拠する世界は余りにも画一的公式的である

歴史の勉強なども学校に従っていたら一向に戦後まで行かない(逆に避けているのかな?)。その結果、ろくに明治以降の日本の歴史を知らない連中が喚くことになる。ヘイトスピーチ等もその類だろう。そこで一つの提案。この際、歴史の勉強の手順を逆転させてはどうか。つまり、現代から学ぶのである。少なくとも明治以降の歴史を先にやってはどうか?そうすれば政治についても経済その他についてももっとまともな理解のもとに議論出来るようになるのではないか。

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「大田尭先生を囲む集い」から(2)--絶えず変化し変わらぬもの・関わりと折り合いの中で

2014年01月04日 | 日本の教育

(「大田堯自撰集成」1)

▼たぶん先生ご自身は好まれないかもしれないが、先生が初めての方のために一言。大田尭先生は東大教育学部学部長、都留文科大学学長、子どもを守る会会長等を歴任されただけでなく現場での活動にも多様に参加された。
 私がお会いした頃は既に東大名誉教授となられ、ほとんどの要職や中心的な役割は退かれた後のことだった。たぶん「子どもの目」が主な活動になられた時期ではなかったか。

▼もとより、先生の過去がどうというよりは、子どもの教育の精髄を学ぶためサークルへの新参者と言うのが私のスタンスだった。しかし、先生や周りの方々は旧知のメンバーのように私を迎えてくれた。
 高校時代から尊敬する先生にことさら異論反論する悪い癖で(高校時代のその恩師は後に衆議院議員となられた)、大田先生に対しても同様のところがあった。しかし、先生はいつもにこやかに受け止めて下さった。

▼21日当日に先生が話されたことは、おおよそ次のようなこと。(以下、走り書きメモから)
 生き物はみな根元的自発性を持っている。そしてみな孤独にできている。人はみな自分の中に自分を閉じ込めている存在である。そうやってみんな違って生きている孤独な存在である。
 しかし、一方、みな他者に依存しなけれな生きていけない存在でもある。そして、折り合いをつけて生きている。
 人はみな変わり続けている。が、変わり続けているのに変わらない。変わらないように見えて、自ら変わる力を持っている。そこにあなたの設計図がある。

▼教育界を見て。教師や親はいつも子どもの興味や関心を大事にと言う。だが、実は絶えず同化を求めているのが親や教師のやっていること。
 2006年12月22日に、愛国心、郷土愛を規定した新たな教育基本法が明日で満7年になるが、元の教育基本法の前文は日本国憲法の前文を受けていた。憲法にはふつう価値観を書かないものだが、日本国憲法は先の大戦の反省からそれを入れている。旧帝国憲法では「天皇のために死ね」と国民の魂を政府が支配するものだった。

▼子どもは根元的な自発性を持っている。そして、みんな違う。人間には38億年の生命の歴史があり、そのDNAを持って生きている。
 石川啄木に次のような短歌がある。
  
 こころよく 我にはたらく仕事あれ
     それを仕遂げて 死なむと思ふ

 夢を分かち合う、品位の高い国を創造したい…

▼上記は、筆者の走り書きであり、メモである。省略だらけで、論理は勝手に繋いでいる。(だから、大田尭先生の言とはとても言えない)判読されたい。

▼大田先生のお話の後、いろいろな人がお祝いの言葉や自身の活動等を語られた。A養護の先生の話、カウンセラーだった奥様が病気になられたOさんの切実なお話、波の絵を献呈された画家のFさん、福島県の被災地の子ども達支援の活動をされているNさん、親子劇場のIさん、保育園経営のNさん、兄弟みんな学校の先生というSさん、不登校だった娘が今元気に高校に通っているKさん、S大学で教鞭を取っている先生…その他思い思いに近況を語った。
 そのどれもが大田尭先生のこれまでの活動と結び付いている。教育界だけじゃなく、様々な民間の人々もいる。そういう「子どもの目」の活動が新聞で報道されたこともある。主催者は春になって落ち着いてからまたやりたいとのことだった。

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