教育落書き帳

教育とは何か…子どもの視点を尊重し、親、伴走者、市民の立場から語ります。子どもを語ることは未来への信頼と希望を語ること。

官民連携による「保護者のための不登校セミナー」から

2012年12月03日 | 日本の教育
▼12月01日の土曜日、さいたま市浦和駅前のコム ナーレ10F(浦和パルコ10F)において、埼玉県教育委員会と県内の親の会やフリースクールとの官民連携による「保護者のための不登校セミナー2」が開催された。官民連携による不登校イベントは昨年に続くものだが、今年は先の9月16日による「不登校セミナーパート1」に引き続くもの。

▼その「パート1」は埼玉県教育委員会主催によるものであったが、今回の「パート2」は埼玉県内の親の会連絡会やフリースクールなど私たち民間の主催によるもの。先の「パート1」では我々民間の側が中身づくりをして後方支援に回ったが、今回の「パート2」においては逆に埼玉県教育委員会の方々には官報や新聞社を通じての広報支援などで強力な裏方に回ってもらった

▼賛否はあろうが、これは官民連携による不登校支援の一つの成果と言っていいのではないか。かつて私たちが不登校支援を始めた20年前、こういうことはまるで望むべくもなかった。そこには鋭い対立さえ存在した。だから官はもちろん民からさえも何の支援もない中での徒手空拳の出発であったが、今はおっとり刀の後出しジャンケンのようではあるが、民間のこれまでのノウハウを求めて教育行政の側からの要請があり、曲がりなりにも協力関係が築けるようになってきている。

▼会の中身は、もと不登校の子どもによる音楽演奏、不登校の子どもの裏方の4人の親御さんによる語りと質疑応答、という内容。私も埼玉県教育委員会の生徒指導課の課長の後、民間の側からの締めの役割を行った。
 本日はお子さんのためによくぞここまで来て下さった。親業とは何か、子どもとどう関わればいいのかを具体的に知る場を得たのではないか。でも、このイベントは終わりではない、始まりなのだ。「いい話を聞けた」「参加できて良かった」で終わってはいけない。ぜひ行動に結び付けてほしい。そんな話をした。会の進行の中で様々なことを想起したが、持ち時間は3分、結局は謝辞に終わった。

▼統計はまだないが、延べ200人はゆうに越えていたのではないか。しかし、それを誇る訳には決していかない。県内の不登校生の何十分の一も参加していないのだ。その訳は結局のところ経済にある。不登校問題とは、畢竟、経済の問題なのだ。たとえ親御さんが子どもをフリースクールに通わせたいと思っても、家計が許さないということがとても多い。不登校の多くは義務教育年齢なのに一旦学校を離れれば何の恩恵もない。教育バウチャーを主張する所以である。でも、それは本来我々の仕事ではない。親御さんの仕事なのだ。このイベントが「始まりだ」というのもそういうことである。不登校の子どもたちが自分のみの問題に終始していては立ち直れないように、親御さんたちも我が子を心配するだけでなく、社会的な役割をしている一員であることを示すことが必要だ。

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