教育落書き帳

教育とは何か…子どもの視点を尊重し、親、伴走者、市民の立場から語ります。子どもを語ることは未来への信頼と希望を語ること。

新「ぱいでぃあ広場」の開設--ホームスクールで勉強している子ども達のために

2013年06月14日 | 日本の教育

ぱいでぃあ広場

ホームスクールで勉強している子ども達のために



▼私達の周りには朗らかな笑顔を振りまいて学校に通っている子ども達がいる一方、様々な事由で学校を離れる子ども達もいます。そういう不登校の子ども達に対してフリースクールは様々な形で学びや活動の場を提供してきました。しかし、同じ不登校でありながら圧倒的多数の子ども達は教育行政の用意した適応指導教室は勿論、フリースクールにも通わず、ホームスクール、ホームエデュケーションという形で自宅で過ごしているのが現状です
 欧米の場合には、富裕層の人達にホームールを実践している家庭が多いようですが、日本の場合には不登校の特殊な事情もあって経済的理由等による場合が多いようです。その結果、不登校から引きこもりに移行し、学業もなおざりになり、成人しても社会参加ができなくなる場合が多く見られます。そのような状態は、本人にとっても無念な人生行路であろうし国家にとっても多大なる損失であろうと思います。

▼学業は家庭である程度補えるとしても、スポーツや身体的活動、感覚の自在な開放、社会体験学習などを通じて社会性を養い、将来の社会参加に備えるために、フリースクール(ぱいでぃあ)の学業以外の活動に合流し、共に学ぶために、新規に「ぱいでぃあ広場」を設けし、「ぱいでぃあ活動」に参加できるようにしました。(以前の「ぱいでぃあ広場」は有名四年制大学を中心とする引きこもりの広場として開設していました)
 家庭の経済的事情も考慮し、なるべく負担の少ない形で参加できるようにしました。家庭を拠点に子どもの教育活動は行っているけれども、子どもが社会参加するための活動や感覚の涵養を考えておられた方々などは、ぜひ一度問い合わせください。きっとよい方向が得られることと思います。


■洋の東西を問わず、「教育の原点」はホームスクールに あります。たとえば、西洋では近代以前、学校らしきものは寄宿舎制が大半で、家庭教師を付けて自宅で教育することが多かったようです。日本の場合も、平安時代には宮廷文学が栄えたのもそういう人材を生み出す教育が既にあったようでしょう。でも、それが可能だったのは富裕層の家庭の人たち。「子どもの発見」者とされるジャ ン=ジャック・ルソーも家庭教師の一人でした。日本では江戸時代に武士などは藩校で学んだようですが、庶民の多くはその頃多数存在した寺子屋で学んだようです。いずれにせよ子弟の教育はまずは家庭から、民の教育として始まったということは疑いがないようです(特に日本の場合、民間の主導でこれ程の教育がなされていたことは特筆すべきことです)。

■日本の場合、近代の学校教育が始まるのは明治時代になってからで、
明治5年の学制発布をその初まりとします。しかし、それはまず何よりも近代国家を維持発展させるのが最優先課題であり、必ずしも国民の教育を尊重するというものではなかったよ うです。その結果、民の立場から、家庭での教育を第一と考える人達から激しい反発があったのは当然だったかも知れません。
 特に第二次大戦後、日本が高度成長の路線に突入する中で、教育にも進学に傾斜する大きな負荷がかかり、一方では個性を尊重する風潮の高まりの中で、正規の学校には通わず、
フリースクールやホームスクールで学ぶ子ども達を生み出すようになりました。
 ただし、
日本の文部科学省は学校教育法の規定により義務教育を家庭で行うことを原則認めていません

■本来、
義務教育の義務とは保護者が子どもが学習する機会を保証するという意味。ですから、何らかの事由で子どもが学校ではなく家庭で勉強することを望む場合には、英米等と同じように日本でもホームスクーリングを行うことは可能なわけです。それが子どもの教育を支援することになるわけです。日本ではあまり表立った活動にはなっていませんが、現在、一定の人達がホームスクールという形で勉学を行っています。
 しかし、ホームスクール、ホームエデュケーションという形で学ぶ子どもたちは
社会から十分な理解が得られず孤立しがちな傾向にあるのも事実のようです。

■教育は時代によって変化します。そして、時代の要請に従い時代に相応しい人材を育成していくことは教育の持つ大きな使命です。国が多額の税金を投入する形で公立学校を営み、大多数の国民の様々な要望や批判を受けながらも、国民に学業を学ばせ、将来の社会人に相応しい社会性を身に付けさせるための学校教育 を行っているのはそのためです。そして、義務教育段階の子ども達の育成には教育の基本的な費用は国が引き受けるという形で、《無償の教育》を行っています。
 しかし、それでも
不特定多数の子ども達を受け入れる学校では、様々な問題が生じますいじめ体罰だけでなく、学業不振もいれば浮きこぼれと呼ばれる子ども達もいます。

日本でのホーム・エデュケーションは学業はともかく社会性を涵養するには十分とは言えません。特に学校での出来事が原因で通学できなくなって家に引きこもり、ほとんど外部との接触を絶ってしまった子供の場合には心配なことです。
 英米等の場合であれば、そういう子ども達を支援する多くの機関や施設が存在するようです。しかし、学校に行くことが当たり前とされる日本の場合には、本 人の事情や親御さんの考えがどうであれ、子どもは何か悪いことでもしているように引け目を感じることが多くなりがちです。その分、
子どもの社会化は一層難しくなることが多くなります。

■そこで、
フリースクール・ぱいでぃあでは、毎日ぱいでぃあに通ってくる子ども達をとは別に、ただし、その一部の活動をホームスクーラーの人達に開放し連携する形を取り入れることにしました。具体的には、週3回の午後の「ぱいでぃあ活動」をホームスクーラーの子ども達に「ぱいでぃあ広場」として開放します。そして、フリースクールの活動と連携する形で、ともすると引きこもりになりがちなホームスクーラーの支援活動を行いたいと思います。
 対象は、私立・公立の小学校・中学校に在籍する子ども達。NPO法人の会員となり相互支援の仲間となってもらう中で、フリースクールの子ども達に準じた扱いとなります。受験を含めた私立校・公立校等への進学を目標とします。

■「ぱいでぃあ広場」の概要
▼毎週:月・水・金の午後の活動

 ※座学以外の多様な活動を行い、社会参加に向けた身体や感性を培います。
 ※スポーツ、絵画、音楽、工作、言語表現、ゲーム活動、遠足、社会体験学習…
  (アウトドア&インドアの総合活動)
 ※月謝:20,000円(毎週3回、各2時間~) NPO年会費(利用者)10,000円
▼希望者は、フリースクール・ぱいでぃあの3日コース、5日コースに変更できます。

詳細は、ぱいでぃあにお尋ねください。


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「いきいきニコラ」のサイト
http://www.os.rim.or.jp/~nicolas/

「フリースクール・ぱいでぃあ」のサイト
http://freeschool-paidia.com/
「ぱいでぃあ通信」(不登校・フリースクール応援マガジン)(ブログ)

http://paidia.blog106.fc2.com/
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毎年恒例の「(平和のための埼玉の)戦争展」の開催について

2013年06月01日 | 日本の教育
▼今年もさいたま市の浦和コルソ7 階ホールで「戦争展」(2013平和のための埼玉の)(7/25-7/29)が開かれる。毎年のことだが、今年も主催者からその案内を頂いた。寄付への協力の言葉も添えてある。市民団体からこういう案内をいただけば、よほど時代錯誤的なものでないかぎりなるべくその活動には協力することにしている。時間が許せば、ブログの紙面を割くこともある。
 
埼玉県知事が自民党出身の土屋義彦氏から現上田清司氏に代わって県の後援が外されたのは残念なことだったが、それでも市民の熱い応援もあって毎年の開催を維持してきたのは素晴らしい。が、戦前戦中世代が高齢化し没していく一方、戦争を知らない世代が社会の指導的立場に立つようになって、様々な問題が生じるようにもなってきた。
 
▼一つには、国内のナショナリズムの高揚に伴い、今までの歴史が《自虐史観》と揶揄され、上からの歴史の見直しが始まったことがある。実際に歴史教育を行う教育現場では、近代現代の歴史、とりわけ戦後の史実を明確にすることを避けてきたきらいがある。しかし、《自虐的》と考える国の指導的立場の人達の歴史の見方がそのまま国際社会でも通用するかといえば、そうは行かない。むしろ、《自虐史観》とするその見方そのものが国際社会では批判の対象となることが起きている。
 
▼「歴史」とは厄介なもの。数百年が経過し学術的にも比較的安定した評価を得られるようになったものはいいが、今なお時代の生き証人が健在な時には、それぞれの個人が置かれた現場での立ち位置によって大きく異なってくることがある。全体の評価の前に個人的な体験がまず優先する。そして、歴史とは基本的に《物語》である以上、そこに個人、地域、国家など様々な位相がある。同じ現実を前にしても、現実の捉え方、切り取り方などはみな異なる。だから、単に資料を調べたり証言を拾い集めたりするだけでなく、できるだけ生きている生身の人間に触れたい。生き証人が高齢化した今、残された時間はそんなには多くない。
 
▼ここで多くは触れない。是非、実際に足を運び自分の目で様々な物を見てほしい。生き証人の貴重な体験談も聞けるだろう。詳しくは下記を参照して頂きたい。
 
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