「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「まあまあ良くおいでくださいました。なにもない田舎ですけどゆっくりしてくださいね」
「有難うございます。これ皆さんで召し上がってください」
「お気遣いありとうございます」
かっ堅いよ、お母さん(^^; ぶちょおの堅いのは慣れてるけど、お母さん、それじゃ肩凝るよ。
「お母さんたら、そんなに緊張しないでいいのに(笑)」
「だって誠一さんは、こうバリッとしてて、如何にも大きな会社の偉い人みたいで」
「もう転職したから」
「それに映画俳優みたいに二枚目でさ、なんかお母さんドキドキして眼が合わせられないわ」
「ふーん」
「よくあんな人の前でジャージにちょんまげでいられるね、あんたは」
「そこが可愛いって、癒されるって」
「つくづく残念な人だ」
「こらっ鈴虫(弟のスズム)」
「半分酔っ払ってる父ちゃんの話をニコニコ相槌打ちながら話合わせてるし、俺が仕事のことでちょっと悩んでいることがあるっていったら凄く的確なアドバイスしてくれたし、余程俺の上司より頼りになるわ。あんな完璧な人が何故姉ちゃんと結婚したのか、雨宮家最大の謎だ」
「そうそう」
「もう~二人とも!」
「まあ、家族以外に姉ちゃんの良さをわかる人がこの世に一人だけいたってことだ」
「大事にしなさいよ、誠一さんのこと」
「うん(笑顔)」
私ももう少しいい奥さんにならないとな。さてと今年の書初めはこれだな。
「なに書いたの? へぇ~脱干物女か・・ん?(ちょっとだけ)って書き足してある(笑)」
「無理は長続きしませんから、ぶちょおだったら書初め、なに書きますか?」
「そうだな・・・君の良い夫でいることかな」
「せっ誠一殿! 私のような愚妻にそのようなお言葉は勿体のう御座います!」
時代劇にでも嵌ってるのか・・・仁(JIN)とか(^^;
「まあ仕事は頑張ってるつもりだし、社会人としてもちゃんとしてると思うけど、人としてはどうだろ?
君の良き夫でいることが人として心豊かにいられる気がする」
「はぁ・・・よくわかったような、わからないような。ならば私もこの(ちょっとだけ)を消したいと思います」
「いいよ、無理は続かないだろっ。俺もまあ出来るだけってくらいだから」
「じゃあこのままで(笑)こっちは寒いでしょ、湯冷めしないようにこれ羽織ってくださいね」
「うん、でも温かいよこの家は、ちょっと古いけど良く手入れされてて、ご家族皆良い人であったかいよ。
君がこの家で育ったのがわかる気がする(微笑)」
「嬉しいです。そんなふうに言ってもらえると。あらためて誠一さん、今年もよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく(微笑)」
*
「ホタル・・・朝だよ(優しく)」
「・・・・・・」
「起きないとチューするぞ・・・このネタは古すぎだな(^^; こらっ起きろっアホタル!」
「むにゃむにゃ」
「いくら実家とはいえ、いい加減に起きてお義母さんの手伝いくらいするのが常識ってもんだろ」
干物女に常識なんてありません(^^;
「はーい」
「よしっ起きたか」
「先生~遠足のおやつは500円までですよね、バナナもおやつに入るんですか~」
「また古いネタの夢を(^^;」
「グーグー」
「だみだこりゃ

トイレ行こっ」
「痛っ!」
ん?・・・・・
「お義母さん、どうされたんですか?」
「たっ高・・誠一さん、おはようございます。まあ早起きなんですね」
「指から血が出てますよ」
「こんなの舐めときゃ治りますから」
「ちゃんと手当てしないと、救急箱何処ですか?」
娘婿に手握られてドキドキしてる義母ってどうよ。
けど、韓流スターに嵌るおばちゃんたちの気持ちがわかるわ(^^;
「すみません、朝からご迷惑かけてしまって」
「いえ、ホタルで慣れてますから(微笑)」
やっぱり・・・この手際の良さはそういうことか。。。
「あまり濡らさない方がいいですよ」
「朝ご飯の支度があるんで、ビニールでも巻いてやります」
「僕に手伝わせてください」
「そんなとんでももないです」
「こうみえて趣味・男の料理ですから、是非手伝わせてくださいね(笑顔)」
「はっはい・・・」
しっしまった、あの笑顔にほだされて遂「はい」と返事してしまった。
しかも主婦歴○○年の私よりずっと手際がいい(^^;
でもこういう男性のお嫁さんになるって逆に大変かもね。だからホタルなのか~お似合いの夫婦かもね(微笑)
駄目この状況に甘んじていては駄目、母親らしく主婦の心得くらいは言っておきゃなきゃ。
まっいっか~(似た者親子)今はお正月だし、今度、何れ、そのうちにビシッとね。。。
「長野のお雑煮と東京のお雑煮は似てますね」
「そのようですな、関西の方だと白味噌に丸餅のお雑煮になるみたいで、でも東京と長野はほぼ同じだからホタルの作る雑煮でもなんとか口に合いますかね」
「ええ」
姉ちゃんが雑煮作るの見たことないけど・・・一応主婦だもんな。
「ん? このだし巻き卵いつもより美味い。」
「それに随分綺麗に巻いてあるし、今朝は誠一くんがいるからいつもより丁寧に作ったんだろ~お母さん(笑)」
「あっこのだし巻き卵ぶちょおの味がする」
・・・余計なことを・・・
「へっ?」
「はっ?」
「どういうこと?」
「ごっごめんなさい。実はかくかくしかじかで・・・」
「相変わらずなんてそそっかしいんだ

」
「もう~お母さんたら~」
「蛍!おまえが一番悪い!早起きはしないし、それに誠一君のことを未だに部長と呼んでいるのか!?
しかも一口食べてわかるくらい誠一君の作っただし巻き卵をいつも食べているのか!?」
「いつもじゃないです。時々です」
「そういう問題じゃない!」
「はっ反省してます」
「あっいや・・・僕料理が趣味なんですよ。それにしても大勢で食べる朝ごはんて美味しいですね。これって一番のご馳走だと思います(笑顔)」
高野さん・・・人間が出来すぎてる(^^; by鈴虫
「この美味い出し巻き卵のお礼に、お昼は私が打った手打ち蕎麦をご馳走させてください」
「それは楽しみです」
*
帰りの新幹線の中、読書中のぶちょお。
「誠一さん、なに読んでるんですか?」
「南雲準のよ~くわかる犯罪心理学」
1月11日「CONTROL・犯罪心理捜査」スタートよろしく! byなおひと。
「ヘェ~犯罪心理学に興味があるんですか?」
「心理学に嵌ってるクライアントがいてね。人のちょっとした動作や仕草でその心理がわかるらしいよ」
「どんなふうに?」
「例えば、今すぐ使える行動心理学として」
◎その仕草は、一体何を意味しているのか?
・口元によく手をあてる人は、何かに依存しやすい。
・腕組みをしている人は、その場に心を開いていない。
・よく髪の毛をいじる人は、欲求不満を抱えている。
・人前で腕時計を触る人は、緊張を隠そうとしている。
・対話中、鼻に手をやる相手からは疑われていると心得よ。
・右上を見ながら話をする人は、おそらく嘘を隠している。
・議論中、あごに手をあてた人は、守りに入った証拠である。
・話し相手が首筋をなでている時は、怒りを抑えている。
「ふ~ん、当たるんですかね、これ?(おい)」
「どうだろ?読んでると面白いし、興味が出てくるけど。よく凶悪な事件とかあると犯罪心理学の教授が犯人の心理を分析したりするから、一つの研究分野なんだろうな。例としてここに書いてあることが一般の人に当てはまるかどうかはわからないけど」
「ですよね~それにそういう心理学とか関係無しに私の母なんて、父が(あれ)(それ)って言っただけで、父の欲しいものとかやって欲しいことがわかるんですよ」
「それは長年連れ添った夫婦だから」
「私たちもいつかはそうなるのかな~」
俺は自分のことは自分でするけど・・・
「でもぶちょおは私より先に動いちゃうけど、あっいや、それに甘んじることないように、今年はもう少し良き妻を目指します」
「じゃあちょっとだけ期待しようかな(笑) 因みに俺が今なに考えているかわかる?」
「俺は本が読みたいから少し黙っててくれ・・・ですか?」
「腹が減った」
「えっ?お蕎麦食べたじゃないですか」
「お味はどうですか?て顔で皆に見られて食べた蕎麦はどこに入ったかわからんよ」
「すっすみません(^^; 私の実家に帰省したからお正月といってもあまりゆっくり出来ませんでしたね。」
「君の家族は俺にとっても大切な家族だから(微笑)」
「私も凡太郎さ・・・お義父さん大好きです。たまには家に寄るように誠一さんからも言ってくださいね」
「ああ、それにしても腹減ったな、なんか食べて帰ろうか、ガツンと中華でも」
「ガツンと食べるなら焼肉ですよ!」
「中華!」
「焼肉!」
「中華!」
「じゃんけんポン! あっち向いてホイッ!」
「美味しい~ここの焼肉会社の若い子たちの間で評判のお店で一度来てみたかったんです。ねっ美味しいでしょ」
「うん、美味い」
焼肉美味かったし、中華でも焼肉でもどっちでもいいんだけど・・・
気に入らない、ホタルにジャンケンで負け続けているのが気に入らない(負けず嫌いのぶちょおです)
この本には書いてないのか? 相手の心理を読んでジャンケンに勝つ心理学は?
おしまい。
今年もこんな感じで二人は仲良く暮らしていくんでしょうね。いつか二人が三人になるといいね!
2008年の1月3日にも「ホタルノヒカリ外伝・お正月」を書いています。
ちょっと懐かしく読み返してみたら、恋人のときの二人と、夫婦になってからの二人と違うもんだなと思いました。
自分でいうのもなんですが、ホタル1の外伝・お正月、面白いです。
夫婦の二人だと相当間口が狭いお話になりますが、1のお正月だとちゃんとストーリーがありますね(^^;
以上 「お年玉その2」でした。楽しんで頂けたら幸いです。