読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

大隈重信の「失敗の一事」

2008-07-27 10:36:55 | 歴史

大隈重信は慶応四年九月、長崎府判事兼外国官判事として長崎に赴任した。大隈はそれまで宗教問題については「兎角の意見」は持たなかったがキリシタン問題に直面し「租宗の神霊を祭り、国家に功労ありし者の精霊を祭る事を立教の大本」とする神道の確率を急務と考えざるを得ず、キリスト教制圧の政策中に身を置いていた。彼のような開明的な政治家さえ、明治初年には「キリスト教防遏(ぼうあつ)」の動向のを担っていた事が有ったのである。後年、「大隈伯昔日譚」の中で「余が歴史に於ける失敗の一事」と書いている。岩波新書「神々の明治維新」安丸良夫著から