読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

文と言う漢字

2008-07-02 09:03:54 | 漢字

白川静著 中公文庫「漢字百話」から
文と言う文字は文身と言う入れ墨を意味する文字である。人が生まれ、成人し、死ぬと言う夫々の段階で行われる儀礼を示している。従って文を含む漢字はその意味に注目し系列化出来る。つまり生まれたときは邪霊が憑かないように朱色で額に記号を描いた形が文で成人したときに行われた事をしめすのが彦で、死ぬときには胸部にまた聖化のためにそれが書かれた。産の立の部分は元は文で彦も顔の立の部分も元は文でそれぞれ一生の各段階を通過儀礼を表す文字である。厂の部分は額を彦意味し彡は文身を加えたものである。