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聖と言う漢字について岩波新書「漢字」白川静著では「その字は、耳と口と人の立つ形から構成されている。」と説明している。この字のより古い形では耳と口だけの字があるそうだ。意味は口耳に聡しと解される事が多いが口はサイという祝詞を入れる容器を意味し物を食べたり、喋ったりする口の事ではなく、神に祈り神の声を聴き得る者を示すのが原義であるとしている。後に儒教が究極の人間性が完成された状態を聖人というようになったと説明している。一方、中公文庫「漢文力」加藤徹著では聖の字源は、音符「呈」(まっすぐ述べる)と部首「耳」(はなしをよくわかる)を組み合わせた会意兼形成文字とし意味を「ことばの威力を駆使できる人」と言う意味としている。加藤氏の方はこの文字に含まれる「口」を食べたり、喋ったりする口そのものと解されているようだ。