読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

世界終末論に反論する米アマチュア天文学者

2012-12-23 10:23:02 | 宗教
By SHIRLEY S. WANG

 21日に惑星が地球に衝突して人類は滅びるという世界終末論をご存じか。米カリフォルニア州に住むアマチュア天文学者のビル・ハドソン氏は、それは全く真実ではなく、そのことは科学的に証明できると力説する。

 この世界終末論は、マヤ暦の周期が2012年12月21日に終わることに由来しており、マヤ人はこの日に世界は週末を迎えると信じていたと解釈されている。終末の到来の仕方にはさまざまな説があるが、人口に膾炙しているのが3600年の周期で太陽を周回するニビルと呼ばれる太陽系の第12の惑星が地球に衝突し、世界を崩壊させるというものだ。

 コンピューターシステム運用者のハドソン氏は、専門家らと協力してウェブサイトや学校での講演で、ニビル衝突説について科学的に反論し、世界終末論を信じてしまった人たちの目を覚まさせようと努めている。同氏は、ニビルという惑星は地球の周辺にはなく、たとえあったとしてもケプラーの法則に反するような形で周回しなければ地球に衝突しないと科学的に説明するのが、信者の怯えを解消するただ一つの方法だと判断した。

 彼がこうした啓蒙活動を始めたきっかけは、5年ほど前に小学5年生から宇宙に関連した終末論をめぐる質問を受けたことだった。インターネットを検索してみると、終末論に関する質問がたくさんあったため、ヤフー・アンサーズに科学的な回答を掲載した。

 2009年には、彼は自らのウェブサイトを立ち上げ、考古学者や人類学者、宇宙物理学者などの専門家の支援を受けて、終末論への反論を本格的に開始した。11月には米航空宇宙局(NASA)の宇宙物理学者デアルデービッド・モリソン氏とともに、オンラインチャットで終末論に対峙した。ハドソン氏のサイトの閲覧者は今秋には一日当たり最高5000人だったのが、21日に近づくにつれ増加し、今では1万人以上に達している。

 ハドソン氏は、終末論を固く信じている人たちは簡単には考えを変えようとせず、「自己を正当化する」と語る。さらに、「もぐらたたきのようなものだ。一つの終末論を論破すると、すぐに5つの新説が飛び出してくる」と嘆く。

韋駄天

2012-09-15 08:33:55 | 宗教
韋駄天
「韋駄天」はサンスクリット語でSkanda。これはもともとバラモン教の神でシヴァ神の子。スカンダを
音写した「私建陀」の「建」の文字を「違」(葦)に誤記したものと言われる。
仏教に取り入れられてからは、仏法の守護神として増長天の八大将軍中に数えられる。
増長天は四天王の一人で南方を守るが、四天王それぞれに八大将軍がいて、全部で三十二人。
韋駄天はその筆頭にある。その俊足は有名で仏舎利を盗んだ足の速い邪鬼を追いかけ
取り戻したという伝承がある。

岩波新書「仏教漢語50話」 興膳 宏著から

2012-09-06 08:25:24 | 宗教
仏教漢語50話 興膳 宏
仏教は一世紀後半の後漢時代に始めて中国に伝わったが、やがて上流階級の支持を得て
徐々に社会に浸透し、五世紀前半には大きな勢力になっていた。このころ鳩摩羅汁(クマーラジーヴァ)を中心とした訳経活動は一段と活発になり、「大品般若経」「妙法蓮華経(法華経)」「阿弥陀経」「維摩経」「大智度論」「中論」など、主要な経典が次々と漢訳されていった。
中国は有史以来、自らに匹敵するほどの高度な文明や文化を有する外国と接触する機会を持たなかった。「史記」の「大宛列伝」、「漢書」の「西域伝」は西方諸国の事情を記しはするが、それらはすべて「夷狄」と呼ばれる非文明の世界に留まっていた。インドという中華に匹敵する巨大な文明や文化の存在を、仏教を通して中国人が知ったのは史上空前の経験だった。

三つの一神教

2012-08-09 08:49:33 | 宗教
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教はいずれも一神教であり、崇拝する神は同一である。
イスラムのアッラーはアラビア語で神のことで、ヘブライ語でヤハウェ、英語でゴッド。同じ神である。
ユダヤ教の経典は「律法」(トゥーラー)で、キリスト教は、この律法を「旧約聖書」と呼び
新たにキリストの教えを記した「新約聖書」を加え、この二つを聖書とした。
イスラム教は、さらに「コーラン」を加え、三つを大事な経典とし、コーランを最も大切は存在と考えた。
それは何故か。次の考え方からである。
イスラム教では、神は人々を救うために、人間の中から選んだ預言者たちに、しばしば、神の
言葉を伝えてきたと考えられてきた。預言者は予言者ではない。「神の言葉を預かる者」と言う
意味である。イスラム教徒にとっては旧約聖書に登場するモーゼも「ノアの方舟」のノアも、イエスも
預言者である。これらの預言者によって旧約聖書も新約聖書も人間に与えられたのである。
が、人間たちは神の言いつけを守ろうとはしなか、或いは曲解した。そこで神は最後にムハンマドを
預言者に選び、彼に最後の言葉を預けた。これが「コーラン」である。
「旧約聖書」はその多くが「天地創造」、「出エジプト」のような激動の物語であるが「新約聖書」
はイエスの言行録を弟子たちが纏めたという形になっている。これに対して「コーラン」は
預言者ムハンマドに語りかけた言葉をそのまま記した書物をされる。イスラムとは「帰依する」と
言う意味である。

「世界を変えた10冊の本」池上 彰著 文芸春秋社から