読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

「七つの子」の意味

2008-07-26 10:34:09 | 新聞

国語学者、金田一春彦は童謡「七つの子」の意味を七才になった子と解釈したと本に書いていた。私は七人の子の意味だと子供の頃から漠然と思っていた。
作家で歌手の会田道人は今は高校生になっている娘が七歳の頃、「七つの子」ってカラスが七羽いるの?カラスが七歳なの?と聞かれたそうである。その質問が「童謡の謎」と言う本を氏が書くことになったきっかけになったと言う。会田氏は鳥類研究所に電話を入れて尋ねたそうである。そこで解った事はカラスは一度に七つの卵は産まない事と七歳まで生きる事も少ないと言う事だった。氏は返事に窮した。
この「七つの子」は野口雨情の詩だが、昔は医療が未発達で乳幼児の死亡率は非常に高かった。徳川八代将軍吉宗の時代でも子供が五人生まれ、その内二人が育てば恩の字だったそうである。子供は七歳までは神様の子と信じられ、何時、迎えに来るか判らなかった。そういう子供がやっと七つになるまで育ってお祝いが出来たのである。「七、五、三」の行事や「この子の七つのお祝いに・・・」などと七が出てくる。この「七つの子」の童謡にはそうした願いが込められていたのだ。