読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

黒孩子(へいはいず)

2008-07-17 09:31:12 | 読書

新潮新書「世間のウソ」日垣 隆著から
戸籍とは各個人の家族的身分関係を明らかにするために記載される公文書。夫婦とその未婚の子で編成され、各人の氏名・生年月日、相互の続柄(つづきがら)などを記載し、本籍地の市町村に置かれる。(国語辞典(大辞泉)から)

この戸籍の制度は日本、中国、台湾、韓国、北朝鮮にのみある制度だそうである。
一人っ子政策を採る中国では二人目の出産は許されない。二人目が生まれた場合は無籍となる。つまり戸籍が作れないのである。そうした子を黒孩子(へいはいず)と呼ぶ。黒孩子は出生が記録されないだけでなく義務教育は受けられず、その後あらゆる場面で差別を受ける。結婚、就職、入院などの場面でである。労働条件では最低限の生活を強いられる。このような子供達を中国南部広西チワン族自治区の玉林市の医療関係者五十二人が売り飛ばした事件が有った。子供の数は百十八人に及んだ。内百十七人が女児だった。2003年10月のことである。