読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

博士号の授与を拒否した?

2018-02-21 10:46:57 | 読書

朝、NHKのラジオで今日は何の日のコーナーを聞いていると

明治44の今日(2月21日)文部省からの文学博士の授与を

拒否したそうだ。突然何の前触れもなく文部省が切り出したらしく

漱石は権威主義的なものを感じたのかもしれない。普通、博士号は

博士論文を書いて得るものだが、今でいう名誉博士号だったのかも

知れない。

漱石は38歳のとき「吾輩は猫である」で文壇にデビューし49歳で

没しているから10年ほどしか作家活動をしていない。漢詩など

も素晴らしいものが有ったそうだ。


魚の目は涙

2013-08-28 09:30:34 | 読書
芭蕉の句に「行く春や 鳥鳴き 魚の目は涙」がある。
昔からこの魚の目は涙の部分の解釈が不明で、ネットで
調べても納得行く解釈は無かった。専門家に拠る解釈、分析
文法解釈も何か核心を突いていなかった。
私はヘルニアで二ヶ月ほど寝ていた事が有った。その間ベッドで
読書するしか無く、白川静の中公文庫「漢字百話」の三度目を
読み返していた。そのときに、「魚の目は涙」を一文字で表す
漢字を見つけた。「鰥」である。かんと読む。その意味は
年老いてから妻を亡くした男の意であると言う。
この漢字をみたとき、前掲の句の前解釈が出来たと思った。
つまり、魚の目は涙は「鰥」であり結婚した事のない芭蕉自身の
事を行っていたのである。この句は別れの句で芭蕉自身も別れに
涙したと言う二つの意味を掛けていたのである。

昔、読んだことのある「少年H」

2013-08-08 08:19:31 | 読書
昔、図書館で「少年H」の分厚い英訳された本を読んだ事があった。
戦前から戦争中の作者の自叙伝のようなもので、戦争中の話が
色々出てくる。戦争中の話は面白くなくて、途中で読むのを
止めてしまった。今度、その本が映画化されたと言う。
今、何故「少年H]なのだろうと思っている。
終戦記念日が近づいているからだろうか。
妹尾河童という舞台芸術家の自叙伝である。映画の中でその本の
すべてが描かれる訳ではないだろうが、河童と言う名は
作者が寿司屋に仲間と一緒に行ったとき、彼は添え物として付けられて
有った菊の花を食べてしまい、河童のような奴だと言われた事から
始まったと言う事だ。舞台芸術に関わるようになったのは
藤原義江の劇団に居た舞台画家が給料が安く、止めてしまい、その
後を、何かのはずみで引き受ける事から始まったとも有ったが
これらは映画化された内容にあるのかどうか興味の有るところだ。

岩波の六法全書が出版停止

2013-07-23 08:37:09 | 読書
岩波書店から出版されていた六法全書が出版停止になると言う。
法学部以外の学生の購入が減ったからだと言う。
確かに、法学部以外の学生が六法全書など買わないだろう。
私が大学時代使った六法は末川博監修のもので、中のページを
見ると赤線などの線でいっぱいになっている。その全書を
横から見ると、手垢で汚れている部分が二筋有る。そこを
開いてみると刑法と民法のページだ。学生時代、その二つの
法律を一番良く勉強したらしい事が判る。

永六輔著「悪党諸君」

2013-05-05 09:38:36 | 読書
永六輔は日本全国の刑務所に講演に出かけている。囚人の前で話をするのだが、
その話が本になっていてそれを読んだ。
その中の何箇所か面白いところが有った。
沖縄の徳之島に泉重千代さんと言う120歳まで生きた人が居た。
そのお爺さんが誕生日に放送局の女性アナウンサーからインタビュー
された。
「どんな女性が好きですか」と聞かれると「年上の女がいい」と
答えたそうだ。

「きんさん、ぎんさん」と言うこれまた100歳を超える姉妹が居た。
晩年、テレビなどに出演し、ギャラをもらえるようになった。
名古屋のタレントつぼいのりをがそのギャラをどうするのと聞くと
「老後のために貯金しておく」と答えたそうだ。これは有名な話で
私も聞いたことがある。
こんな話をして回っているらしい。

蔵書のない図書館、開設へ-米テキサス州ベア郡

2013-02-08 10:45:12 | 読書

サンアントニオに今年開設される図書館の完成予想図
wsj日本版から

米テキサス州ベア郡は今秋、完全にデジタルな公共図書館を開設する。米国でこの種の公共図書館はまだ極めてまれだ。図書館がいわば情報の倉庫となり、人々は書籍を自分の端末にダウンロードするか、電子書籍端末を借りるかによってのみ閲覧できる。

 図書館関係者は、サンアントニオ市を擁するベア郡のこの野心的な計画を懐疑的な目で見守っている。多くの人気のある本の電子版は図書館では入手できないとか、図書館が電子版を入手するには印刷版よりも費用がかかる場合が多いと警告する者もある。このほか、同じような実験的取り組みが印刷版の保存を望む市民の圧力によって阻止されたとの指摘もある。

 ベア郡の郡政委員会(公選)トップのネルソン・ウルフ氏は本好きで、個人で約1000冊の書籍の初版を収集しているほど。電子書籍端末は持っていない。しかし、同氏はアップルの共同創業者である故スティーブ・ジョブズ氏の伝記を読んだ影響などで、技術が急速に変化し過ぎているため印刷版への投資は賢明ではないという結論に達したという。

 そこで同氏はベア郡に本のない図書館を開設することを提案した。同郡は郡としての図書館システムを整備していなかったが、図書館から遠く、市などの自治体に属さない地域(Unincorporated Area)の住民にも役立つ電子図書館を開設することを決めた。  同氏は「わたしは印刷版の書籍を手に携えているのが好きな人間だ」と述べた上で、「しかし、自分が少し化石がかっていて時代に追い付いていないことも認識している」と話した。


 この実験的図書館は今秋、サンアントニオの南側にある郡の出張所内に開設される。書籍が約1万タイトル、市民が借りるための電子書籍端末が150台用意され、うち50台は子ども用になる予定だ。また利用者が書籍にリモートアクセスできるようにする予定で、図書館にはデスクトップパソコン50台のほか、図書館内で利用するためのノートパソコンとタブレット型端末が25台ずつ設置される。そのほか、喫茶店も設けられる。

電子書籍リーダー時代はもう終わってしまった?

2013-01-06 10:36:28 | 読書

wsj日本版から

私もグーグルタブレットを使っていて、書籍専用のキンドルなどは使おうとは思わない。
電子書籍を読むための専用端末、電子書籍リーダーはここ5~6年の間、話題の的だった。しかし、タブレット型端末の小型化が進み、廉価版が発売されるようになった今、ネット通販大手アマゾンの「キンドル」や米書店大手バーンズ・アンド・ノーブルの「ヌック」などの読むことにしか使えない端末の運命が問われている。

 市場調査会社IDCによると、2012年の電子書籍リーダーの世界出荷台数は推計1990万台となり、前年の2770万台から28%減少した。これに対して、2012年のタブレット端末の出荷台数は推計1億2230万台に上った。

 


Bloomberg
バーンズ・アンド・ノーブルの「ヌック」

 調査会社HISアイサプライの集計はこれとは異なるものの、同じような傾向を示している。同社の推計では、専用の電子書籍リーダーの出荷台数は2011年にピークに達しており、2012年は前年比36%減の1490万台だった。同社は出荷台数が2015年までに780万台にまで落ち込むと予想している。

 問題の一つは、電子書籍リーダーを購入したユーザーの一部が早く次の端末を買いたい、とは特に思っていないことだ。薬物乱用カウンセラーとして働くオハイオ州ストウ在住のジュリー・カーティスさんはもっぱら、2年前に買ったキンドルを使っているという。カーティスさんは「ちゃんと動くし、新しいものを買う理由がない。最新版を買う気になっていたら、キンドルファイアのようなタブレット型端末を選んでいたと思う」と話した。

 2007年に流行り出したとき、電子書籍リーダーは画期的な商品に見えた。1台の端末に数百冊もの本を収納して読むことができる上、重さは大抵のハードカバーの本よりも軽く、大したスペースもとらない。しかも、電子書籍は紙の本より安いのだ。

 その後、電子書籍リーダーのデザインが改良され、見た目も読みやすさも向上した。軽量化が進み、ページをめくる速度も上がり、さらに多くの本が収納できるようになった。無線通信機能が搭載され、ユーザーがいつ、どこにいても小説や雑誌、新聞をダウンロードできるようになった。今では、暗い所でも本が読める機能も搭載されている。

 「電子書籍リーダーの真のイノベーションとは、コンピューターを使わずにワイヤレスで本が買える利便性を消費者に与えたことだ」と指摘するのは調査会社フォレスター・リサーチのアナリスト、サラ・ロットマン・エップス氏だ。「まさに消費者の自分の手の上にオンラインショップをもたらしたという意味で、電子書籍リーダーは『事件』だった」とエップス氏は話している。

 しかし、消費者の好みも技術も変化した。人が本を読むのをやめたわけではない。世論調査機関ピュー・リサーチ・センターの最近の報告書によると、電子書籍リーダーではなくタブレット型端末で電子書籍を読む人がますます増える可能性が高くなっている。同社の調査では、電子書籍を読んだことのある米国人の割合は2011年には16%だったが、2012年には23%にまで上昇した。

 廉価版のタブレット型端末は高機能の電子書籍リーダーとしてだけではなく、インターネットブラウザーやゲーム機、カメラとして使うこともできる。IDCのタブレット担当のリサーチ・ディレクター、トム・メイネリ氏は「ほとんどの消費者にとっては、さまざまな使い方ができるタブレット型端末のほうが都合がよく、タブレット型端末が消費者にとって買う気になる価格になったときはなおさらだ」と話す。メイネリ氏は「電子書籍リーダーは最終的には隙間商品になるだろう」と話している。

時効で書かれた話

2012-10-09 08:14:01 | 読書
これは、或る直木賞作家が時効だからと言って書いた話である。
野坂昭如氏がテレビの旅番組にレギュラー出演していたころ、その
企画で新潟へ行ったときの出来事だ。まだ上越新幹線のなかった
頃である。入港中のソ連船を訪ねた。その船長に、日本の作家が
挨拶をし、プレゼントを渡すと言う段取りでテレビカメラは回って
いた。ところが船長が、そのとき、大変な剣幕で怒り出したのである。
取材拒否に遭い、スタッフは引き上げざるを得なかった。野坂は
東京を出発したときからずっと酒に酔っていた。それでスタッフに
迷惑をかけたのだと思い、反省し永平寺へ行こうと言い出した。
そして、そこで頭を丸めてしまったのである。
永平寺の僧侶がたくさん居る前で「マリリンモンローノーリターン」を
絶唱したと言う。これもカメラは回っていたが本人の希望で放映は
されなかった。
ところでソ連船の船長が怒ったのは、「プレゼントを受け取る場面が
撮影され、それが日本のテレビで放映され、本国の偉い人に知られたら
ワイロを受け取ったとみなされ、クビを切られるではないか!」と言う
事で怒ったのだった。野坂が酔っぱらていた事とは関係が無かった
のである。

サイデンステッカーの事

2012-09-14 08:47:07 | 読書
先日、亡くなったサイデンステッカーは、昭和20年、24歳のとき、海兵隊員として
佐世保に来ている。翌年に帰国し、昭和23年アメリカ国務省の役人として東京に
来ている。同25年に国務省を辞め、アメリカ政府とフォード財団から奨学金を
貰い東大に入り、日本文学を専攻した。
東京の下町をこよなく愛し、こんな文章を書いている。
「60年安保騒動の当時、写真を見ると身なりは今と比べて、もっときれいでした。
今は汚いと感じます。特に女性がひどい。あの汚いジーパンは吐き出したくなる。
おんならしさを考えると、若い女性のあの靴、鉱山労働者のような靴は何でしょう。
なぜ、日本の女性は男っぽくなってしまうでしょうか。今までの日本と言う国は
こんなことはありませんでした。」と。
それから、何故か、「文京区」と言う名も嫌いだそうだ。
「好きな日本、好きになれない日本」サイデンステッカー著 廣済堂出版から