読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

海舟ことば

2008-07-23 14:16:24 | 歴史

昔、NHKの大河ドラマで、その題名は忘れたが松方弘樹が幕末の勝海舟を演じていたのを見たことがある。その海舟の台詞によく「・・・でんしょ。」とか「・・・でやんす。」と言う話し方を聴いた。幕末の江戸ではそんな喋り方をしたのかと思って聞いていた。最近「最後の幕臣・小説大久保一翁」野村敏雄著(PHP研究所)と言う歴史小説を読んでいると海舟の台詞にその言い方が出て来る。松平春嶽と勝海舟が徳川慶喜の事を話している。
「豚一殿がそうやって勿体つけるのは、敵にも、後継はおれしかいないというところを見せたいからでんしょ。」とか、春嶽が慶喜の酒の飲み癖について「あれはねじ上げの酒飲みだから。」と言うと海舟が「なるほど、ねじ上げでやんすか。」言うふうである。豚一とは慶喜の渾名で、慶喜は豚肉が好きだったからだ。また、ねじ上げとは、酔うといつまでも理屈をこねて相手を困らせる酒癖の事の事を言うそうだ。海舟のこの喋り方は海舟の語録「氷川情話」から来ているのだろうが、まだこの語録は読んでいないので何れ読んでみたいと思っている。