テレビとインターネットが融合する日を今も待ち続けているって? それは既に実現しているのかもしれない。
市場調査会社の米フォレスターの新たな調査によれば、10人中4人、つまり4割の米国人はテレビをインターネットに接続している。18~32歳の若者に限ると、この比率は10人中6人にまで増える。フォレスターはこの大半が、マイクロソフト(MS)の家庭用ゲーム機「Xbox(エックスボックス)360」とソニーの「プレイステーション3(PS3)」のおかげだと説明している。フォレスターによれば、インターネットに接続してテレビを見ている人の42%は、ゲーム機を通じてネットに接続している。
もし、あなたが記者のような年寄りで、テレビの上にV字型アンテナが乗り、アーケードゲームの卓球ゲーム「ポン」が一世を風靡(ふうび)し、テレビ局の数が3つだった頃を覚えているのであれば、先に挙げた比率はとてつもなく高いように思えるだろう。また、これにはいくつかの注意書きができる。
しかし、こういった統計結果を見るのは今回が初めてではない。
市場調査会社のNPDは今秋、ネット上の動画を視聴する手段として、テレビが最も多く使われるようになったとの調査結果を明らかにした。またDVDレンタル・動画配信のネットフリックスは1日当たりのストリーミング配信について、PS3を通じた配信がパソコンを通じた配信を上回ることが多いと述べている。
もしこれらのリポートについて少なくとも方向的には正しいと言いたいのであれば、今回の調査結果は重要な意味を持つだろう。少なくともネットフリックス、フールーにユーチューブといった動画配信サイト、そしてこの瞬間を待ち続けていた人たちにとっては重要だ。
この数字のあら探しをしたいのであれば、方法はいくつか存在する。まず、フォレスターの調査ではテレビでインターネットに接続したことが「過去に一度でも」あるかと尋ねており、常に接続しているのとは違うことに気付いて欲しい。これに加え、多くのゲーマーが他のゲーマーと対戦したいがためにインターネットに接続している可能性もある。
最も重要な点は、フォレスターの数字はインターネットで実施した調査から出てきたということだ。またフォレスターが調査結果の脚注の中で指摘しているように、「インターネット調査に参加する人はインターネットに慣れており、ネットを通じた取引に抵抗を持っていない場合が多い」のも事実だ。
言い換えると、米国の全人口について話題にしたいのであれば、恐らくこれらの数字を少し小さくできるということだ。しかし、そうだとしても、ここに何かが存在するのは確かだ。これは記者以外の人々にとっては過去のニュースなのかもしれない。