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日本遺族通信 平成27年12月15日号 遺書と九段短歌

2015年12月17日 14時52分10秒 | 日本遺族通信


                     平成27年12月 靖国神社社頭に掲示されました遺書 合掌

この度は、奥様と小さいお子様に贈られた最後のお手紙をご紹介させていただきます。
私の両親は、年が離れておりましたので、父は当時の小寺様とほぼ同年齢に、お子様に遺された文面に私自身が重なり目頭が熱くなりました。
戦争の事実も風化されつつありますが、将来永久に戦争の無い平和な世の中を祈るばかりです。

選者 三井勝生先生のお言葉を私自身が学びたく掲載させて頂きます。
もう12月を迎へてしまひました。
今年は、天候が不順で今日夏日だと言ってゐると、明日は冬の日といふやうに激しく入れ変りがありました。
また、低気圧が一箇所に滞り大雨を降らし、テレビでも放映されたやうに、川が数個所の堤防を崩し、あふれ出た水により、あっといふ間に家が流されるといふ悲劇をみました。
一方作歌の方では、戦後七〇年といふことから、「七〇年」を歌った作品や、天皇・皇后両陛下が慰霊の旅行に出られたことに対する感動の歌が多かった事が中心になりました。

三井勝生先生にご指導を頂きました平成27年最後の12名の鎮魂の歌をご紹介させていただきます。
お目を通して頂けましたら嬉しゅう御座います。

     胸つまる思ひに聴きぬ「君が代」をペリリューの人唱ひくれば 青森県 遺児田中恭子様
     日の御旗まだ字の読めぬ妹へ亡父が送りてくれし絵はがき    鳥栖市 遺児女性
     兵の父蛍になりて帰りこよ願ひ待ちしに秋風の吹く       大阪市 遺児女性
     晩秋の山懐に佇みて戦没慰霊軍歌も悲し            甲州市 遺児男性
     出征の征子は父の筆字なり一枚の赤紙により名付られる        南相馬市 遺児女性
     戦死せし父の最期を知らせくるロシアより戦後七十年経て    足利市 遺児女性
     暮れゆけば野に風吹きぬ靖國の父が背中に立ちゐるやうな    甲州市 遺児女性
     朝七時バシーへ向きて手をあはす十月二十六日父の命日     上田市 遺児女性
     処分するしかない母の古ダンス逝きて半年戦争寡婦の         富士吉田市 遺児男性
     靖國の庭に立ち出で空眺め幾年過ぎし月日数へる        呉市 遺児女性
     アンガウルの島影望み拝礼すここペリリューのオムルウム岬   石岡市 遺児女性
     添へられし桜紅葉の裏側に「靖国神社の秋」の墨筆       千葉市 私

     桜紅葉の墨筆のご紹介  遺族会女性部友人からのプレゼント

今年も多くの皆様に九段短歌をご覧頂きまして誠に有り難うございました。心から御礼を申し上げます。

     両陛下とご懇談のご紹介 天皇・皇后両陛下ペリリュー島慰霊の旅に感謝 2

選者の三井先生のお言葉に「天皇・皇后両陛下が慰霊の旅行に出られたことに対する感動の歌が多かった・・・」↑とございましたが、九段短歌に長年投稿されていらっしゃいます田中様は天皇・皇后両陛下がペリリュー島をご訪問され献花をされました後に、両陛下よりお言葉を賜りましたことに、どんなにか大切な慰霊の旅になりました事と田中様の胸中を拝察申し上げました一年でございました。
今号までにお父様をお偲びして素晴らしい多くのお歌が寄せられました。
今後ますますのご活躍をお祈り申し上げましてご紹介をさせて頂きました。

私事ですが、おかげ様で今年も11回の掲載を頂きましたことに励みを頂きました。
先程、桜紅葉に「靖国神社の秋」とお書き下さいました友人から「たった1枚の葉を歌に詠んで頂き、とても感激しております。」と過分なるお言葉を頂き、来る年も努力を重ねて参りたく思っております。
今後ともご指導を頂きたくよろしくお願い申し上げます。
最後までご覧頂きまして有り難うございました。

コメント (6)
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