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日本遺族通信 平成22年1月15日号 遺書と九段短歌

2010年01月29日 10時23分11秒 | 日本遺族通信

   
               平成22年1月 靖国神社社頭に掲示された遺書
               岩手県出身 陸軍憲兵曹長 佐藤 源治 様
                 昭和23年9月22日 ジャワ島バタビヤにて法務死 合掌

あの悲惨な戦争を風化させてはならないと今日まで沢山の「遺書」をご紹介させて頂きましたがこの度、歌を作られてご家族にお届けしましたお方に出会いました。
1番から4番まで作詞されましたが、とても悲しい3番4番の歌詞をご紹介させていただきます。

   3番  故郷を出てから12年   4番 僕のこの歌聞いたなら
       冷たい風の獄の窓        母さんきっとうれしさに
       虫の音聞いて月を見て      頬すり寄せて抱き寄せて
       母さん恋しと歌ったら      「上手になった良い子だ」と
       みんなが泣いて聞きました   ほめて下さることでせう
                            (昭和23年6月3日)
何の罪も無いお方がどうしてこのような悲しいお歌を作らなければならなかったのでしょうか 
このお歌を書かれてから3ヶ月余の戦死に、お手紙を受けたお母様のお気持ちはいかばかりでありましたでしょうか 
今も世界のどこかで戦いが行われておりますが、戦争で得るものは皆無です。世界の真の平和を祈るばかりです。 

私達は過去の悲しみを記憶し、戦争の悲惨さと、散華されました尊い犠牲を風化させる事のないように語り継ぐ使命がありますことと考えます。
今号にも全国から鎮魂の歌が寄せられましたので、ご一読頂ければ幸いに存じます。

   父の遺書四歳我に片仮名で靖國社頭に掲示されたり       横浜市 女性
   煙の輪美しくゆらす亡夫なりきその灰皿もいつしかひび入る   横手市 女性
   出征の叔父を小旗で送りたり駅舎の跡にコスモス揺れる     青森市 男性
   四十一歳ままの姿の父の写真日本に戻る事叶はずに       大阪市 女性

   九歳の冬に征きたるわが父を話してくれし母も在さず    東かがわ市 女性
   病院も陸海軍の司令部も壕にもぐりて地獄絵なりぬ      南相馬市 男性
   戦死せる兄の遺品の少なきに触れてなつかし黒独楽一つ     篠山市 男性
   弧を描く水平線に父偲ぶ足摺岬の遙けく南を         名古屋市 女性
   永遠の平和を願ひ兵偲び祈る慰霊に菊薫るなり            京都市 男性
   境内を掃き清めつつ甦る頬擦る父の肌の温もり         尾道市 男性
   タナストに尋ねたときは吾余生夫を葬(おく)りて早も六十年  常滑市 女性
   父偲び九段短歌に歌詠みて貴重な紙面に五十首となりぬ        千葉市 私

九段短歌へ投稿開始から昨年の9月15日号を持ちまして5年を迎え、50首の掲載を頂くことが出来ましたので感謝の気持ちを詠みました。
戦死の父は私にとっては永遠の恋人です。全く知らない父親を偲び、鎮魂歌を学んで参りたく思っております。

コメント (8)
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