Open your eyes

クルマに関する妄想集(+その他のことも少し)

グランド・ツアラーとしてのティーダ

2009年03月30日 22時51分46秒 | Weblog
先日、ティーダで東京-名古屋を往復した。往復の距離は約780kmで、ひさしぶりのグランド・ツーリングであった。

今回の旅には、生後7ヶ月になる長男と妻の3人で行ってきた。生後7ヶ月の子どもと長時間クルマに乗るとどんなことになるかは、おそらく想像がつくだろう。ティーダは長距離の移動を快適に支えるカプセルとして十二分の働きをしてくれ、親のストレスを最小限にとどめてくれた。

具体的にいえば、後席スライド機能で得られる超ビッグな後席レッグスペースと、ハッチバックとしてはやや高めのルーフは、サービスエリアでのオムツ替えや授乳にはうってつけだった。また、充分な乗員スペースと広いグラスエリアにより、長時間の移動でも精神的な圧迫感が少なく、spaceとvisibilityは有効なGTカーの素質であることを再確認した。しかも、それがミニバンではない、ハッチバックという車型で実現されているところが憎い。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最下級グレードの世界【特別篇】 トヨタ・セリカ(T160型)

2009年03月14日 02時05分43秒 | Weblog
不定期連載「最下級グレードの世界」シリーズも細々ながら着実に回を重ねつつあることをうれしく思う。今回は、最下級グレードではないんだけど、最下級グレードとして扱っても差支えないグレードを、「特別篇」という形でお届けしたい。

---------------------

このT160型「流面形」セリカには、一見してわかる重大な違和感がある。流面形セリカの外観を特徴づけている、あの3分割大型リアスポイラーが、ない。 それに加えて、ホイールが13インチのスチールだ。それも、こともあろうに後のターセル/コルサ/カローラⅡと同じホイール(!)。

それでは、このグレードは、流面形セリカにおける最下級グレードなのかというと、そうではないのだ。 タネを明かせば、このクルマは下から2番目の「ST」である(写真のクルマをよく見ると、左ハンドルであることにより海外仕様だと知れる。が、話を簡単にするにあたり、今回はそれを無視していただきたい)。

ちなみに、セリカ/カリーナにおいてSTというグレードは実は長い歴史がある。 「高級なエンジンは積んでおらず、装備品も必要十分なものしか与えられていないが、そのクルマのコンセプトが主に外観を中心に十分に反映された中級グレード」という位置付けを一貫して与えられているグレードなのだ。初代から4代目(=この流面形セリカ)まで設定されていた。余談だが、僕の10歳年上の親戚も、カリーナクーペの1.5STに長く乗っていた。

いま、僕の手元に流面形セリカのカタログがあるけれど、それを注意深く見ると、STは実は2種類存在することがわかる。単なる「ST」と、「STスポーツパッケージ」の2つである。そして、カタログに写真付きで紹介されているのは「STスポーツパッケージ」のほうだ。単なる「ST」が存在することは、巻末の諸元表を見ないとわからないような仕組みになっている。その意味で、今回写真に掲げた単なる「ST」は、流面形セリカの表舞台に出てこなかった裏グレードととらえることもできる。

ちなみに、「STスポーツパッケージ」の中身は、単なるSTに対して、フルホイールキャップ、3分割大型リアスポイラー、リアウインドゥワイパー、ハロゲンヘッドランプが加わる、となっている。

なぜ僕がこのクルマを取り上げる気になったかというと、ひとことで言って、大型リアスポイラーの無い、スチールホイール(しかも13インチの弱々しいやつ)を履いた流面形セリカの魅力を世の中に知ってもらいたいと思ったからにほかならない。 それでは、その魅力とはなにか?というと、それはきわめて高度にバランスしたエクステリアデザインだと答えたい。 僕は流面形セリカの外観は、当時の日本車の中ではナンバーワンのデザインだと思っている一人だけれど、この写真のセリカは、リアスポイラーやアルミホイールといった化粧を取り除かれることによって、その秀逸なデザインが際立つ結果となっている。

また、流面形セリカといえば大半の人が、純正アルミを履いた「白の2.0GT-R」を想起すると思うが、このSTのようなグレードも流面形セリカには存在したことを広く知ってもらいたいという、義務感にも似た気持ちにとりつかれたからでもある。

僕は流面形セリカが好きで好きで、流面形セリカに関する様々な情報を集めてきたけれど、さすがにスポーツパッケージなしの単なる「ST」を街で見かけたことはほとんどない。一度だけ、あれは1991年の秋ごろだったと思うけれど、千葉県八千代市の国道16号沿いを自転車で走っているときに目撃しただけだ。けれど、当時は自分の中で流面形セリカの存在感が今ほど大きくなかったために、そのときはスルーしてしまったという経緯がある。

おそらく、3分割リアスポイラーなしの、スチールホイールド・流面形セリカを紹介しているサイトは相当に限定されるのではないだろうか。そうだったらわざわざ写真を掲げるかいがあるというものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

路地裏のプリメーラ

2009年03月07日 00時40分41秒 | Weblog
とある路地で見かけた日産プリメーラである。フロントグリルが天地に短いことから、マイナーチェンジを迎えた後の後期型であることがわかる。

僕は、いまだにこのプリメーラのデザインには疑念なしとしない。とても意欲的なデザインであることは理解するが、細かなところで「惜しい…」の感は拭えない。具体的には完全にボディに溶け込んでしまったフロントバンパーであるとか(前に突き出していたほうが良かったのでは)、Cピラー根元のやや不自然な折れ線だとか。または、センターメーターそれ自体や、子どもっぽいメーターのレタリング、などだ。

でも、このクルマにプリメーラという名前が冠されている以上、僕の気持ちは相変わらずこのクルマを支持している。こうして路地裏にさりげなく停められているのを見ると、上で述べたような瑣末なことは忘れ、突如として目の前に現れたその圧倒的な存在感に打たれることも事実だ。

これほどの物議を醸した、存在として異なクルマは、長く乗っていると、将来に意外とひそかな満足が得られることがある。このクルマを買った人の中には、純粋にこのクルマのデザインに心酔し、日々嬉しい気持ちで乗っている人も多いだろう。僕はそんな幸せな人をうらやましく思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする