Open your eyes

クルマに関する妄想集(+その他のことも少し)

いいなあ、新型デミオ

2007年07月11日 21時37分21秒 | Weblog
デミオについて、もう少し書きたくなったので書いてしまう。

前回はマツダの車種カバレッジについて思うところを書いた訳だが、いちハッチバック好きの目には、新型デミオはかなり魅力的に映ることを否定できない。

いまどきスペースユーティリティを謳い文句にしないコンパクトカーなんて、それだけでうれしい。 新型デミオのカタログの冒頭には、「丸くてかわいらしいことがそんなに大事?」 「広いことがそんなに大事?」 「それより走りの性能でしょ!」 という、ある意味反動的なことが書かれていて、これを読んだ僕は深く首肯したのであった。

例によって外観の意匠から入るんだけど、新型デミオはフロントマスクの彫りが浅くてやや子供っぽいこと、ウエストラインの前端がやや低すぎることを除いては、とても好みだ。 今あげた2点のネガティブポイントにしても、なんとか許せる範囲であることを付け加えておく。 それよりも、ハッチバックの命たるリアビューの造形と、それを補助するリアコンビランプが醸し出すリアの表情は、僕的に非常に高得点が付けられる。 (あと、先代からテイクオーバーされた、「Demio」ネームプレートの勢いあるレタリング。 子供っぽいけど、好きだ。)

思えばマツダって 「こんなクルマがあったらすぐにでも買うのに」 という、クルマ好きならではの身勝手なリクエストにもっともよく応えてくれるメーカーではなかろうか。 ロードスターしかり、RX-8しかり、アクセラ5ドアしかり。 日経ビジネス的には前回書いたような批評もありだけど、いちクルマ好きとしては、ここ最近、急に増えた感のあるマツダファンの多さにも得心がいく。
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NEW TARGET ?

2007年07月06日 01時34分50秒 | Weblog
マツダ新型デミオが発表された訳だが。
Bセグメントハッチバックとしてはそこそこ個性的で、ちょっと欲しくなるカタチだと思う。ややプジョー206の影響を受けていると思われるリアビューも、実はけっこう好きである。ガンメタリックというかグラファイトというか、とにかく魅力的なグレーがラインナップされていることも、個人的には高評価だ。他の多くの競合モデルとはちがって、コンパクトカーなのにいかにも「走りそうな」ボディデザインはマツダらしさを感じさせて、この会社のファンには嬉しいだろう。
ネガティブなポイントとしては、シフターがミニバンのようにインパネ中段から生えていることと、フロントドアのウエストラインが低くて、高速走行時には前席の乗員にとってはやや不安感があるのではいうこと、だろうか。

まあ、細かいことはさておき、新型デミオはハッチバック好きの僕の心の琴線に響くクルマではある。きっと「アクティブな女性にぴったりのクルマ」といったコミュニケーション戦略がとられるであろうことは想像に難くないが、僕がフリーにクルマを選べる立場だったら、きっとショッピングリストの上位にランクされるだろう。

しかし、しかしである。
「NEW TARGET」とマツダが謳うとおり、新型デミオはこれまでのセミトールスタイルのボディを捨てて、コンベンショナルなBセグメントハッチバックとして、この競争が激しいセグメントに送り込まれた。このことが、マツダの商品ラインナップを考えたときに本当に正解だったのか、僕は疑問に思う。いままでのデミオの特徴であった「(実用的な)ちょっと背の高い」ボディを捨てて、わざわざ競合がひしめく市場に飛び込んでいく意味が、はたしてどれだけあるのだろう?それとも、トール/セミトールボディを実用性を志向するカスタマー向けに、日産キューブやトヨタbB、イストやルミオンのような、背の高いコンパクトカーを今後マツダは揃えられるのか?

欧州においても同じことだ。コンベンショナルなBセグメントハッチバックは、最近でこそプジョー1007、ルノー・モデュス等のトールワゴンに押され気味とはいえ、特に欧州においてはいまだに需要の多くを占める主要な車型であり、私たちもその大舞台で直球勝負を挑みたいと思った…とはデミオ開発者の弁だけれど、初代/2代目が特徴としていた「セミトールワゴン」というデミオのReason To Buyをなげうって、わざわざ競合の多い車型に移行したことは、マツダの戦略的に正しかったのかどうか。

日産が欧州の重要な戦略車種として、従来のアルメーラ(コンベンショナルなハッチバック)をやめ、キャシュカイ/デュアリス(ハッチバック+SUVのクロスオーバー)を投入したのは、敵のいないところで無用な競争を避けるという、孫子の兵法にも似た戦略があったからだ(もちろん、彼の地でのSUV比率の上昇というトレンドを見越してのことでもある)。 それを逃げと受け取る評論家の記事もあったが、戦略としてはとてもオーソドックスでリーズナブルだと思う。

デミオは日本・中国での量販車種だが、同時に欧州においてマツダのマーケットシェアを高めるという任務を帯びたクルマだ。新型デミオがルノーやオペル、VW、その他日本や韓国のライバルたちに埋没することのないように祈る。
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