Open your eyes

クルマに関する妄想集(+その他のことも少し)

スンスンスーン♪前夜のマツダについて

2009年11月14日 00時19分12秒 | Weblog
写真のクルマはマツダ・ファミリア(1994-1998)なわけだが、このクルマはクロノスファミリーとともに、90年代のマツダを一躍「日本でもっともイタいメーカー」へ押し上げる原動力となったことで知られる。

今でこそ、Zoom-Zoomの勇ましいイメージで鳴らすマツダだが、ほんの10数年前はリコール騒ぎ渦中の三菱並みにお寒いイメージだったように思う。

もちろん、マツダに限らずどのメーカーでも、目論見に反して失敗した(=売れなかった)モデルというのはある。だから、1車種や2車種失敗したぐらいでは、イタいメーカーと認定されることはない。では、マツダの場合は何が違ったのかというと、失敗したことが明白になった後の対応が悲しすぎることだ。

写真のファミリアの場合では、1994年に登場したファミリア・ネオの失敗が明確になり、マツダはモデルライフ中盤で超大規模なマイナーチェンジ、というか、ボディデザインの100%変更を行うことを決断した。そのこと自体、痛々しいことではある。

写真は変更後のボディで、変更前とはまったく別のクルマに仕立てられている。 じっさい、モデルライフの半ばでこれほどまでに外観変更したケースを僕は知らない。 そして真に痛々しいのは、せっかく死ぬる思いでそこまで投資しても、この代のファミリアの販売が浮かび上がることは最後までなかったという冷徹な事実だ。

このファミリアの失敗から、僕たちは「努力すれば報われる」という思想は、まったくのウソなんだと気づく。この世には、どんなに頑張ってもダメなものはダメなこともあると知るのである。

このファミリアよりもひとつ前の世代のモデル(1989-1994)は、モデル末期には価格を下げて叩き売りされていたモデルだ(いわゆる「所さんのファミリア」)。それだけに、次の代にかける社内の期待は相当なものだっただろう。実際僕は、当時、マツダを取材したテレビ番組「報道特集」で、マツダの役員たちが神主さんのような人の前でこのファミリアの成功を祈念している様子を見ている。それがこのような結果になって、やんぬるかなというしかない。
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シビックについての雑感(続)

2009年11月07日 23時38分06秒 | Weblog
シビックの話が続く。そう、僕はシビックというクルマがとても好きなのだ。

僕の家からそれほど遠くないある私鉄の駅前に、この3代目のシビック=ワンダーシビックが、もう何年もこのスタイルで停められている。
ワンダーシビックは歴代シビックの中でもセールス的に成功を収めたモデルだが、販売期間がバブル期よりも前であること(つまり、バブル期に代替されるケースが多かった)、また、ハードウェアじたいの耐久性が高くないことで中古車としての価値を低めたことにより、もはや街中で見かけることはほとんどなくなってしまった。だから、この光景を見つけたときは本当にうれしかったものだ。

僕は、歴代シビックの中では、このワンダーがもっとも好きである。僕がもし、まだ独身であって、カネの使い途になんの制限もなかったとしたら、おそらくこのクルマを買っていることだろう。それほど気に入っている。
実際、外観デザインの完成度でいったら、歴代モデル中、このワンダーが群を抜いてトップだと思う。このモダンなデザインには、工業デザインとしての普遍的な美が備わっている。ゆえに、時間の経過で色褪せることがない。たとえ今日的な流行からは外れていても。

残念なのは、ワンダーのウルトラモダンなボディに対し、このマンションがいかにも凡庸なデザインであることだ。これが、ワンダーと同じくモダンな建物だったら、この光景はきっと一枚の絵のように見えたに違いない。
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シビックについての雑感

2009年11月02日 23時50分10秒 | Weblog
写真のクルマは、グランドシビックと通称された4世代目のシビックで、1987年に登場したクルマである。
シビックというクルマに、ある種の知的な匂いを感じ取ることができるのは、おそらくこのグランドシビックが最後だろうと思う。これ以降の世代は、VTECエンジンによるスポーツ色を前面に押し出した、悪く言うなら若者のオモチャである。個人的には、シビックというクルマに対しては、世の中のいろいろなことに一家言を持つリベラリストが乗るクルマというイメージを持っていたのだが、そんなイメージはこのグランドシビックの後期型あたりからだんだんあやしくなり、この次のスポーツシビックでは影も形もなくなってしまった。

写真のクルマは、グランドシビックの中でも中位機種となる25Rである。シビックというクルマの本質として、権威(エスタブリッシュメント)に背を向ける清々しさというものがあるとすれば、むやみに最高グレードを狙わずにこの25Rぐらいを選択するのが、まあ気分であろう。中位機種がもっともそのクルマの個性を現しているなんて、シビック以外にあまり聞いたことがない。そんなところもシビックらしいといえばシビックらしいと思う。
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