Open your eyes

クルマに関する妄想集(+その他のことも少し)

三菱のフランス車、2代目ミラージュ

2010年11月11日 01時04分59秒 | Weblog


2つ前の記事でミラージュを取り上げたが、今回もまた話題にしたいと思う。ただし、今回は2代目ミラージュである。 画像は1985年にマイナーチェンジした後期型のものだ。

2代目のミラージュは、1983年に登場した。スマッシュヒットを記録した初代ミラージュからプラットフォームを引き継いでのフルモデルチェンジであった。
1983年といえば、「赤いファミリアXG」旋風が吹き荒れていたころである。ファミリアを追随して、トヨタがカローラⅡをリリースしたのは有名だが、三菱も抜かりなくミラージュを更新してきたというわけだ。

当時の小型ハッチバック車の宣伝手法は、若者層に対し走りを訴求するというもので各車とも一致していた。なんだけど、僕は画像に掲げたような、なんでもない普通の外観にこそ、このミラージュのデザインの面白さが出ていると思う。ボンネットフードの切り方と、リアホイールハウスの形状に、このクルマのデザイン上の特徴がある。これはフランス車のデザイン言語であり、当時としてはかなり冒険的なデザインだと思うが、奇異な感じを抱かせずにとてもうまくまとめているところが良い。同時期のワンダーシビックほどではないけれど、新しい感覚を備えた清廉なデザインだと思う。また、内装にはなるが、ちょっと個性的なダッシュボードデザインも面白い。

残念ながら、このミラージュは、当時のライバル車であるファミリアやターセル/コルサ/カローラⅡ兄弟、カローラFX、シビックたちの中に埋没し、4年間のモデルライフを通じてセールス上の日の目を見ることはなかった。忌野清志郎やエリマキトカゲのCMは話題になったものの、それがクルマの販売台数に結びつくこともなかった(まあ、CMなんてそんなものだとも言えるが)。
三菱じしん、このクルマを育成していく上で迷走しており、モデル末期になって「ミラージュ・ナウ」(苦笑)という名に改名するという愚を犯している。
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美しいから、ころがしたい。日産サニー RZ-1

2010年11月03日 00時04分19秒 | Weblog





このタイトルは、このクルマのCMキャッチコピーです(後期型のCMだけど)。

僕がよく通る路地の駐車場に、日産サニー RZ-1が鎮座していて、僕はずっとそれが気になっていた。ところどころにサビが浮いているボディは、今日の目で見ると、とても小さく見える。全幅が5ナンバーの上限値よりはだいぶ小さいことに加えて、現代のクルマならありえないほど低い全高が、その印象に拍車をかけている。

RZ-1は、1986年2月に、サニーファミリーにおけるクーペとして、当時のB12型 "トラッド" サニーをベースに生まれたクルマだ。初期型は1500ccのターボエンジンと、ノンターボの2本立てで、それぞれに上級グレード(TYPE B)と下級グレード(TYPE A)が設定されていたはずだ。当時小学校4年だった僕の記憶が正しければ、だけど。
(ちなみに、画像のクルマは、ホイールの形状からして、下級グレードのほうだと思われる。ターボ付きかどうかは、わからない。)

歴代のサニークーペがそうであるように、このクルマも、ダッシュボードはサニーセダンからの流用であった。ダッシュボードのデザインにも多少なりとも差をつけ、スペシャリティ色を打ち出したカローラ/スプリンターのクーペ(レビン/トレノ)とは異なる点である。もっとも、RZ-1も、デジタルメーターを採用したりして、セダンとの差別化にまったく無頓着だったわけではないけれど。

サビだらけで、ボディカラーも褪せた四半世紀前のRZ-1を眺めていると、ここが日本ではないどこか、たとえばアメリカであるように錯覚してしまう。これほどのクルマが、ある日突然新車のモコなんかに替わっているのを見たら、僕はきっと残念な気持ちになるだろう。このままずっと、土に還るまで、東京の街を走り続けてほしいと思う。
コメント (2)
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